お酒事情(Buster Bros!!!)
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池袋の喧騒が遠のいた、ちょっと隠れ家的なバー。
「……どうしたの?そんなに黙っちゃって」
六花が笑いながらグラスを傾けると、目の前の三郎はふっと目線を逸らす。
「……別に。なんでもない」
その言い方が、なんだか懐かしくて。
中学生の頃、何かと反抗してきたあの感じを思い出して、つい笑ってしまう。
「三郎、もしかして照れてる?」
「してねーし!なんで俺が……てかさ」
三郎は軽く咳払いをして、グラスの中のハイボールをくるくると揺らす。
「俺、今、二十歳。ちゃんと大人になったし。
だから……子ども扱い、すんな…」
──あぁ。
またちょっと背伸びしてる顔が、懐かしくて愛しくて。
でも、確かに背は伸びたし、声は低くなったし。
目の奥の真剣さは、前よりずっと“男”の顔をしていた。
「……カッコよくなったよね、三郎」
ぽつりと漏らすと、彼の耳がわずかに赤くなる。
「当たり前っしょ。オレ、努力してっから。
昔のおれのことしか知らないなら、ちゃんと今を見ろよな」
「え、見せてくれるの?“今の三郎”」
少し意地悪にそう言えば、彼はくっと笑って、少し体を乗り出してくる。
「見せてやるよ。……ちゃんと、“男”になった俺を」
その言葉に、少しだけ胸がドキッとする。
昔から知ってる“弟みたいな存在”に、そんなふうに見られるなんて──。
「なんかさ、六花も
“姉ちゃん面”してないで、ちゃんと飲めよ」
そう言って、三郎は自分のグラスを掲げてくる。
その表情は、やっぱりちょっと生意気で──でもちゃんと頼もしかった。
「……じゃ、カンパイしよっか。大人の三郎くんと」
「やっとかよ」
カチンと響いたグラスの音が、
“昔”と“今”の境界線を、ふっと溶かしていく──。
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「……ちょっと、飲みすぎたかも」
そう言って、三郎はグラスをテーブルに置いた。
さっきまでのシャキッとした空気が、少しゆるんでる。
目元もほんのり赤くて、無意識に服の袖をいじってる姿が、やけに可愛い。
「ふふ、意外と酔うんだね。強そうに見えたけど?」
「いや……弱くはねぇけど。……油断しただけ」
拗ねたような、でもどこか甘えるような声音。
思わず笑ってしまうと、三郎はむっと唇を噛んで、六花を見つめた。
「笑うなよ。……なんか、言おうとしてたのに忘れたじゃんか」
「えー?なんだったの?」
「……んー……」
少し間を置いてから、彼はぽつりとこぼす。
「俺さ。……あの頃、マジで“ガキ”だったなって思うんだ」
「……うん、そうだね。正直、反抗期すごかった」
「うっわ、やっぱ言うよねそれ……」
苦笑いしながら、三郎は頭をかきながら続ける。
「でも……今は違う。オレ、ちゃんと大人になったつもり。
少なくとも、“男”として……お前のこと、ちゃんと見てるよ」
「……え?」
「オレのこと、ずっと“弟みたい”って思ってたのは知ってる。
でも、今のオレはもう、そうじゃない。
……お前の隣に、並びたいって思ってる」
酔ってるのに、その目はまっすぐだった。
ふざけた感じもなく、真剣な瞳でこっちをまっすぐ見ている。
「……いつから?」
「ずっと前から。でも、口にしたのは今日が初めて」
「……そっか」
返す言葉に迷っていると、三郎がちょっとだけ不安げに目をそらす。
「……って、今のナシ。酔ってるし、たぶんヘンなこと言って、」
「ナシじゃないよ」
言い終わる前にそう言えば、三郎はびっくりしたように目を見開く。
「……三郎は、もうちゃんと“男”なんだね。
今まで、なんだかんだでずっと見てたから……ちゃんとわかるよ」
すると三郎は、ちょっと照れくさそうに笑って、
でもどこか安心したように、ヒロインの隣に身を寄せる。
「そっか……じゃあ、今日だけは調子乗ってもいい?」
「今日だけって言わずに……ね?」
グラスが空になったテーブルで、
“大人になった三郎”は、ずっと前から変わらない“好き”を、
ようやく素直に届けてくれた──。
♡fin♡
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