お酒事情(麻天狼)
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「いらっしゃい、六花ちゃん!」
玄関を開けて迎えてくれるのは、一二三。
ホストモードの時みたいにキラキラしているけど、今日はジャケットを脱いだおうちモードだ。
白いシャツの袖をまくって、エプロン姿で微笑む姿はまるでドラマの一場面。
「お邪魔します!!今日は誘ってくれてありがと!あ、これお菓子とかお酒とか色々買ってきたからみんなで食べよ」
「わー!ごめんね!全然気にしなくて良かったのに!」
ささ、上がって上がって!っと手を引かれる
「今日はね〜、ちょっと腕を振るってみたんだ♪」
リビングに通されると、テーブルの上にはもうお洒落なおつまみが並んでいる。
生ハムとチーズの盛り合わせ、アボカドディップ、香ばしいガーリックシュリンプ、鶏むね肉のヘルシー南蛮風──
どれも居酒屋レベルじゃなく、レストランのような見た目で思わず声が漏れる。
「えっ……すごい!お店じゃん!」
六花が目を丸くすると、一二三は照れくさそうに笑う。
「ふふっ、ありがと。こういうの作ってるとさ、独歩くんも喜ぶんだよ。
アイツ、帰り遅いからなかなか一緒に食べられないんだけどね」
「…そうなんだ、独歩さん相変わらず仕事で忙しそうだね…
でも、こんなご飯食べられる独歩さんはまじで幸せ者だよ」
そう言い、一二三が作った料理を携帯のカメラに収める
「それなら嬉しいけどね、じゃあ、まずは二人で先に始めちゃおっか!」
一二三が差し出したのは冷えた白ワイン。
「かんぱーい!」
「かんぱーい!」
グラスが軽く鳴って、宅飲みが始まる。
ひと口飲むと、料理との相性がぴったりで思わず笑みがこぼれる。
「うんっ……!おいしい!」
「でしょ?お酒とのマリアージュは大事なんだよ〜♪」
ワインの話を熱く語る一二三に、六花は頷きながら手を伸ばす。
「このエビ、プリプリだね!……んっ、やば、止まらない!」
「うれしいなぁ!六花ちゃんの『やば』って言葉、褒め言葉に聞こえるよ」
「間違いなく褒め言葉だよ…!!」
料理を味わいながら、話題は自然と同居人の独歩へ。
「今日も遅いの?」
六花が聞くと、一二三は肩をすくめて笑った。
「うん、たぶん。仕事でトラブってなきゃいいけどなぁ。
あいつ真面目すぎるからさ、全部抱え込んじゃうんだよね」
六花は小さく笑って頷いた。
「なんか想像つくかも。独歩さんって、ほんとに優しいし」
「そうなんだよ〜。六花ちゃんがそう言ってくれると、俺も嬉しいな」
一二三はグラスを傾け、ふっと優しい表情を浮かべる。
「ま、独歩くんが帰ってきたら、三人で乾杯しよ?六花ちゃんがいてくれたら、絶対元気出ると思うし」
┈┈┈┈┈⿻*.·
グラスを重ねながら、二人の会話はどんどん弾んでいく。
「六花ちゃんって、普段はどんなお酒が好きなの?」
「んー、実は甘めのカクテルとかも好きだよ」
「おっ、それなら次は俺がオリジナルカクテル作ってあげようか?
“六花スペシャル”って名前つけて」
「えっ、なにそれ!ちょっと楽しみなんだけど!」
「ふふっ、じゃあ考えておくね」
冗談交じりのやりとりに、宅飲みの空気はますます和やかになっていく。
グラスの中身が減るたびに、二人の笑顔も自然と増えていく。
気づけばテーブルはほぼ空っぽ。
六花はお腹いっぱいで、ほろ酔い気分。
「はぁ〜、ほんと幸せ……」
とソファに座って伸びをすると、一二三がにこっと笑った。
「六花ちゃんが楽しそうにしてると、俺まで癒されるよ」
そんな穏やかな空気の中──
玄関の鍵の音が、カチャリと響いた。
(あ、独歩さん帰ってきた!?)
思わず六花と一二三は顔を見合わせる。
玄関の鍵が回る音がして、扉がゆっくり開いた。
「……ただいま……」
声が小さくて、どこか重い。
スーツ姿の独歩は、ネクタイを少し緩めていて、髪も乱れている。
一目で「今日も仕事、大変だったんだな」とわかる。
「おかえり、独歩〜!」
一二三がすぐに立ち上がって、明るい声で迎える。
「ほら見て、六花ちゃんも来てくれてるんだよ!」
「えっ……あっ、六花さん……こんばんは……」
独歩は驚いたように瞬きをするけど、すぐに目尻が少し柔らかくなった。
「独歩さんお邪魔してます!お仕事、本当にお疲れ様!すごくお疲れモードだね… 」
六花が声をかけると、独歩は苦笑いを浮かべながらスーツの上着を脱ぐ。
「はぁ……また会議が長引いて……。もう、帰る頃には電車も混んでて……」
言いながらソファに腰を下ろす独歩。
その姿は本当にくたくただ。
「おつかれさま、独歩くん。はい、冷たいビール!」
一二三がすぐにジョッキを差し出す。
「六花ちゃんと二人で待ってたんだよ。ほら、乾杯しよ!」
「えっ……あ、いや、俺なんか疲れてるし……」
独歩が遠慮しようとすると──
「いいじゃん独歩さん、今日は華金だよ!」
六花が笑顔でグラスを掲げる。
「みんなで乾杯したら、疲れも飛んでっちゃうよ!」
その言葉に、独歩の肩がふっと緩む。
「……六花さんにそう言われたら、断れないな……」
ジョッキを受け取ると
「じゃあ改めて、おかえり、独歩くん!」
「おかえりなさい、独歩さん!」
「……ただいま」
三つのグラスが軽やかにぶつかる。
ごくごく、と冷たいビールを流し込むと、独歩の表情に少しずつ色が戻っていった。
「……はぁぁ……生き返る……」
深いため息と一緒に、ほんの小さな笑みが浮かぶ。
「独歩くん、今日は俺が色々作ったんだよ〜!
六花ちゃんも気に入ってくれてさ!」
「ほんとに美味しかったよ!」
二人に勧められて、独歩は少し戸惑ったようにテーブルを見渡す。
「……すごいな……こんなに……。あぁ、俺も食べていいのか……?」
「もちろん!独歩さんの分も残してあるから!」
六花が笑顔で差し出すと、独歩は少し頬を赤くして、照れながら箸を取る。
「……っ、うま……」
思わず漏れた一言に、一二三がドヤ顔。
「でしょ?俺の料理は愛情たっぷりだからな♪」
「うん、ほんと美味しいよね! 一二三すごい!」
六花が乗っかると、独歩は小さく笑った。
「……二人とも、ありがとな……」
┈┈┈┈⿻*.·
お酒が進むにつれて、独歩の表情がどんどん柔らかくなっていく。
会社の愚痴を少しこぼしたり、六花に「最近どうなの?」と気遣ったり。
一二三が間に入って笑いを取ってくれるから、会話は途切れず楽しいまま続いた。
最後には独歩がぽつりと、少し恥ずかしそうに言う。
「……あぁ……俺、こうやって三人で飲めるの、結構好きかも……」
「俺もだよ!」
「私も!」
声が重なって、三人は思わず笑い合った。
宅飲みの夜は、仕事の疲れを溶かすように、温かく過ぎていった。
┈┈┈┈⿻*.·
「ぷはぁぁ……もう一杯……」
すっかり顔が赤くなった独歩が、空いたジョッキを差し出す。
一二三は「はいよ〜!」と慣れた手つきでおかわりを注ぎ足す。
「おー、独歩さん飲んでるねぇ!」
六花がにこにこ笑いながらつられてグラスを掲げる。
「……いやもう、飲まなきゃやってらんないんだよ……」
独歩はぼやきながらも、グラスを一気に傾ける。
「今日なんてさ、俺じゃなくてもいい会議に三時間だよ!?
しかも最後に『資料は明日までに』って……バカか!?明日土曜だぞ!?
休みなんてあってないようなもんだよ……はは……」
机に突っ伏して愚痴る独歩に、六花は慌てて背中をぽんぽん叩く。
「おつかれさま……独歩さん、ほんとに頑張ってるんだね」
「……六花さん……優しいなぁ……。
でも俺なんか、報われないんだよ……」
ぼやく独歩の隣で、一二三が軽く肩を抱く。
「ほらほら、ここにいる二人は独歩の味方だからさ。安心しな?」
「……うぅ……ありがと……」
「よしっ!じゃあ酔い覚ましに、ちょっとあったかいの出すね!」
一二三がキッチンへ立ち、すぐに小鍋を持って戻ってくる。
「はい、特製アヒージョ! パンにつけて食べて!」
「わぁ!にんにくのいい匂い〜!」
「うっ……酒に合う……!」
三人でパンをちぎってはアヒージョに浸して食べる。
テーブルを囲んで笑い合うその雰囲気は、もう居酒屋以上に楽しい。
グラスが進むにつれて、みんなのテンションも上がっていく。
「六花ちゃんさ、独歩のどこが好き?」
「えっ!?いきなり!?」
一二三の無邪気な質問に六花は笑って赤面する。
「えーと……優しいとこ? あと真面目で、一緒にいると落ち着くとこ!」
「……っ……」
独歩は顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「うお〜〜独歩、照れてる〜!かわいい!」
一二三がからかうと、独歩は「うるさい!」と声を上げるけど、
六花の方は見れないまま、耳まで真っ赤だった。
気づけば時計はもう夜遅く。
テーブルの上には空いたグラスと皿が並び、三人は心地よい酔いの中で笑っていた。
┈┈┈┈┈⿻*.·
「よし!次はゲームだ〜!」
一二三が棚から取り出したのは……まさかのUNO。
「えっ、UNO!?懐かしい〜!」
六花は思わず笑顔。
「こういうの、酔ってやるとめっちゃ盛り上がるんだよね!」
「俺……こういうの弱いんだよな……」
独歩は渋い顔をするけれど、
「だーいじょうぶ!六花ちゃんが初心者ハンデあげるよ!」
一二三に背中を押され、しぶしぶ参戦することに。
カードを出すたびに笑い声が響く。
「リバース!」
「ドロー2!」
「ドロー4!」
「ちょっ……!俺ばっかり狙ってるだろ!?(涙目)」
独歩は山札からカードを何枚も引かされ、テーブルにどんどん積み上がっていく。
「いやぁ、独歩ってほんと分かりやすい顔するから狙いやすいんだよね〜!」
「ひどいよ一二三〜!でも……楽しい!」
六花も加わって、笑いの渦。
独歩も最初は文句を言っていたけど、気づけば声を上げて笑っていた。
「……くっそ……俺だって……!UNOォ!!」
「えっ!?独歩さんが一番!?すご!」
「やるときゃやる男なんでね……!」
珍しく得意げな顔を見せる独歩に、六花と一二三は大爆笑。
ゲームは大盛り上がりだったけれど
そのうち、独歩のまぶたがどんどん重くなっていく。
「……ふぁ……」
気づけば、カードを手にしたままテーブルに突っ伏していた。
「うわっ、独歩さん寝た!?」
六花が慌てて覗き込むと、一二三は苦笑い。
「はは、酔いと疲れが一気にきたんだろうね。
いつものことだよ」
二人で協力して、ぐったりした独歩をベッドへ。
「うっ……思ったより重いね!」
「六花ちゃん、無理しないで!……ほら、布団かけてあげて」
ベッドに横たえられた独歩は、寝息を立てながらうっすらと呟いた。
「……ありがと……六花さん……ひふみ……」
「……っ……!」
六花の胸がじんわり温かくなる。
「ふふっ、素直じゃん。普段は絶対言わないのにね」
一二三が優しく笑う。
六花は布団を整えて、独歩の髪を少し撫でた。
「おつかれさま、独歩さん……ゆっくり休んでね」
二人でリビングに戻ると、テーブルにはまだ片付けきれていないUNOのカードと、
空っぽのグラスが並んでいた。
「今日は楽しかったな〜。六花ちゃんが来てくれて、本当によかった」
「うん……私も! なんか、心までほぐれた気がする」
そう言って笑い合う二人。
静かな夜に、酔いの余韻とあたたかい気持ちだけが残っていた。
♡Fin♡
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