お酒事情(麻天狼)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「うわぁ〜〜っ!やば!あれ見て!ワイングラスがっ……光に反射してっ……めっちゃオシャレじゃん!」
ワインを掲げながら、目をキラキラさせてる一二三。
この日は、カウンター席のある落ち着いたダイニングバー。
仕事帰りに一二三と合流して、ふらっと寄った、そんな夜。
「一二三さん、テンション高いなぁ〜。
今日は何かいいことでもあった?」
「ん?あるに決まってるじゃーん!君とまた、こうして飲めてることっ♡」
「またって……前にも言ったじゃんそれ」
「うん、だから何度でも言うよ。嬉しいことって、何度言っても減らないからさ♪」
お酒も入って、ぐいぐい調子が出てくる一二三。
でもその言葉の裏には、ちゃんと“本心”が見え隠れする。
「……正直ね。前に飲んだとき、帰り道ちょっと寂しかったんだ」
「え?」
「だってさ、楽しく飲んで、いっぱい笑って、……でもまた明日になったら、
君とは別々の生活に戻るんだなーって思ったら……ちょっと、物足りなくなっちゃってさ」
一二三は、笑顔のままだけど、目の奥にほんのり寂しさが滲む。
オンの時の派手なテンションじゃなくて、
オフの“伊弉冉一二三”としての、素の気持ち。
「……今夜はさ。帰り道、寂しくならないようにしたいなって思ってるんだよね」
「……どうすれば、ならないと思う?」
あなたがそう問いかけると、一二三は少しだけ顔を赤くして、
照れ隠しみたいにグラスを傾けた。
「……たとえばさ。
六花が“また来週も一緒に飲も?”って、言ってくれたら──
すっごく安心するかも」
「……一二三さん、来週も一緒に飲もう?」
「ッ、……うわっ、今のちょっとズルい〜〜っっ!!可愛すぎるじゃん君〜!!」
わざとらしく頭を抱えて、けれど嬉しそうに笑う彼。
その笑顔に、つられてあなたも笑ってしまう。
「じゃあ今夜は、“また来週の約束”まで、しっかり楽しもうね♪」
そう言って、一二三はあなたのグラスに優しく自分のグラスを合わせた。
──カラン、と音を立てて、ふたりの時間がさらに深く溶けていく。
今夜は、前よりもちょっとだけ素直な一二三と、やさしく酔っていく夜。
♡♡
グラスが重なる音も、
小さく笑い合う声も、
すっかり夜の店内に馴染んでいた。
「うーん……なんか、今夜のワイン、ちょっと甘く感じるなぁ」
「飲みすぎじゃない?」
「えっ、えっ!?まだ全然っ、へーきっすよぉ……!たぶん……!」
一二三がふらっと身体を揺らして、カウンターの背もたれにぴとっと寄りかかる。
さっきまでの“しっかり者感”はどこへやら、
今は、酔いのせいでちょっと素の顔が出ている。
「……はぁー。六花とこうしてるとさ、……ホッとするんだよね」
「一二三さん?」
「……あ、だめ……やばい。ちょっと素が出てきた気がする〜〜〜〜っ」
ふわふわした声で笑いながら、あなたの肩にごろん。
バランスを取るようにそっと身を預けてくる。
「……今日さ、頑張ったんだよ俺。すっごい、いろいろ。
でも六花に会えるから頑張れたんだ〜……」
「……」
「だから、甘えても……いい?」
──その声があまりに優しくて、どこか寂しそうで、
あなたはそっと、一二三の手に自分の手を重ねた。
「甘えていいよ、今だけじゃなくて。いつだって」
その一言に、一二三の肩が少し震えた。
驚いたような、安心したような、少し泣きそうな顔。
「……君って、ずるいな。そんなこと言われたら……離れたくなくなっちゃうじゃん……」
「ふふ、それ一二三さんが言う?」
「ん〜〜〜〜っ、それは言わない約束だったじゃん〜っ!♡♡」
いつのまにか、グラスは空になっていた。
けれど、心はまるで満たされていくみたいに、ぽかぽかとあたたかかった。
「……来週どころか、さ。
六花と、ずっとこうやって笑って飲めたら、いいのになぁ──」
酔いにまかせてこぼれ落ちたその言葉は、
まるで本心の一欠片みたいに、あなたの胸にそっと染み込んでいった。
