麻天狼のマネージャーをやらせていただいています
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スタジオの扉を開けると、空気が一気に変わった。
朝の光が薄く差し込む中、
リハーサル室の奥には、麻天狼の三人がすでに集まっている。
「おはようございます!」
六花が声をかけると、
最初に手を挙げたのは一二三だった。
「おはよ、六花ちゃん! 今日もいい天気だね〜。リハ日和だ♪」
「……天気は関係ねぇだろ」
すかさず独歩のツッコミが入る。
そのやり取りに、寂雷先生が小さく笑った。
「ふふ。二人とも朝から仲が良いね」
「仲が良いっていうか……もう日常です」
六花は苦笑しながら資料を机に置いた。
今日のスケジュールは、
麻天狼の新曲リハーサル。
ライブ前の最後の確認日。
気持ちも自然と引き締まる。
⸻
「では、音出しからいこうか」
寂雷先生の穏やかな声に合わせて、
独歩がマイクの位置を調整し、一二三がヘッドホンを耳に当てる。
最初のビートが流れると、
空気が一瞬で変わった。
それぞれの声がぶつかり合って、混ざって、溶けていく。
六花はモニターの後ろで、その瞬間を息を呑んで見つめていた。
寂雷先生の冷静で包み込むような声。
一二三さんの柔らかくも華やかなリズム。
独歩さんの芯の通った低音ラップ。
3つの音が重なるたび、
背筋に鳥肌が立つ。
「……はぁ、やっぱこの瞬間だよな」
小声で呟いた独歩が、
わずかに笑っていた。
⸻
「いい流れです。今の感覚で、もう一回いきましょう!」
六花が声をかけると、
3人が同時に頷く。
その目はまっすぐで、もう完全にアーティストの顔だった。
一二三が音のリズムに合わせて軽く肩を動かし、
独歩はリリックを繰り返し口の中で確認する。
寂雷先生は静かに全体のバランスを聴き取っている。
六花の頭の中では、
照明、立ち位置、MCパート、
すべての段取りが走っていた。
本番では、彼らを一番綺麗に見せたい。
そのためなら、どんなことでもやる。
自然と手が動き、ホワイトボードに次の構成メモを書き込む。
その背中を見ながら、一二三がふと笑った。
「ねぇ六花ちゃん、ほんっとに頼りになるよね。
俺ら、もう君なしじゃ動けないかも」
「ふふっ、そんなこと言って。
じゃあライブ後にちゃんとマネージャー打ち上げ開いてもらわないと」
「もちろん! 俺と独歩で幹事やるよ」
「え、なんで俺も……」
「ほらほら、幼馴染の務め!」
独歩がため息をつきながらも口元に笑みを浮かべ、スタジオに和やかな空気が広がった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈⿻*.·
リハーサルが終わったころ、
外はすっかり夕方になっていた。
機材を片づけながら、寂雷先生が六花に声をかける。
「……今日も、いい空気を作ってくれたね」
「え?」
「君がいると、3人が自然に調和する。
まるでリズムの指揮者のようだ」
「そ、そんな大それたことは……」
六花は慌てて手を振るが、先生の穏やかな目がそれを遮る。
「チームには音の支えが必要だ。
君はその静かな支柱なんだよ」
六花は胸が熱くなって、
思わずマイクスタンドを見つめた。
そこには、彼らが全力でぶつかり合った“音の跡”が残っている。
「……やっぱり、麻天狼って最高ですね」
その言葉に、三人の視線が自然と集まる。
そして、
誰からともなく笑い声がこぼれた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈⿻*.·
リハーサル室を出る時、
独歩が軽く六花の肩を叩いた。
「なぁ、明日も頼むな」
「もちろんです。どんな現場でも支えますから」
外は夕焼け。
金色の光が、4人の背中を照らしていた。
…… ᴛᴏ ʙᴇ ᴄᴏɴᴛɪɴᴜᴇᴅ
