社畜ヒロインに優しくするヒプマイ達
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残業終わり、深夜近いオフィス街。
ぐったりした六花は、帰り道でスマホを開く。
そこには乱数からのLINE。
「六花ちゃん♡ 今日も残業?
帰りコンビニ寄るならボクも付き合う〜」
思わず笑って、
「今から帰る。駅で待ってて」
と送ると、数分後には既読がついて
ハートだらけのスタンプが返ってきた。
┈┈┈┈┈⿻*.·
駅前のコンビニ前で待っていた乱数は、
明らかに仕事終わりの六花を見てテンションを落とした顔をする。
「……今日も、死んでる、」
「死んでない。ギリ生きてるよ、」
「ギリかぁ〜……じゃあボクが生き返らせてあげる♡」
そう言って、乱数は六花の荷物をひょいっと奪って持ってくれる。
「ありがと……あ、乱数、明日も朝早いんじゃない?」
「ボクは大丈夫♡ 六花ちゃんが元気になるまで帰らないよ〜」
こんな会話をしているけど、別に私と乱数は付き合ってる訳でもない。乱数の言い回しってなんか軽いと言うか
誰にでも言ってるんだろうな…付き合ってる訳じゃないし…この事実が浮かれそうになる度に何度も脳裏に出てきてしまう
乱数の楽しそうな顔を横目で見ながら、楽しそうに笑っちゃって…ってこちらも笑ってしまう
┈┈┈┈┈┈┈┈┈⿻*.·
夜の公園のベンチに座って、
買ったコンビニスイーツをふたりで分け合う。
乱数はいつもの調子で明るく話しているけど、
ときどき六花をじっと見ては、真剣そうな顔をする。
「ねぇ、六花ちゃん。
そんなに仕事つらいなら、ボクがさらってっちゃおうか?」
「えー?さらってくれるんだ?」
「そう♡ もう仕事行かなくていいって言ったら、六花ちゃん笑うかな〜って」
ふざけてるようで、目はまっすぐ。
本気なのか冗談なのか分からない。
「……笑えないよ。私、辞めたら生活できないし」
「じゃあボクが養う♡」
残業続きの社畜OLには、自由奔放な乱数の言葉はあまりにも眩しくて。
「…っ!そんな事言って、簡単に人のこと振り回さないでよ…」
思わず零れたのは、拗ねたような、でも少しだけ期待してしまっている自分を誤魔化す声。
「そっか〜、まだ友達ってことだもんね」
「……まだって言った?」
「言った♡ だってボク、六花ちゃんの彼氏になる気満々だもん」
唐突な告白に、六花の心臓が跳ねる。
乱数はそれ以上追い詰めることもなく、
ただ隣でゆるく笑って座っていた。
…分からない、どこまでが本気なのか
「……そういうとこ、ほんとずるい」
「ずるいって言いながら、六花ちゃん今ちょっと笑った♡」
「……笑ってない」
「うそ♡ はい、六花ちゃん今日も可愛い〜!」
いつも通りのテンションなのに、
その言葉が今日は少しだけ胸に刺さった。
帰り道、家まで送ってくれる乱数が
急に歩く速度を落とす。
「ね、六花ちゃん。
次は仕事帰りじゃなくて、ちゃんとデートしよ?」
「…デート?」
「うん♡ボクと遊ぶ日作って。
お仕事の愚痴も聞いてあげるし、ちゃんと笑わせてあげる」
「考えとく」
「やった♡考えとくはOKと同じ意味だもんね♡」
六花は否定しなかった。
そのまま家の前で手を振ると、
乱数は最後にいたずらっぽくウィンクして帰っていった。
┈┈┈┈⿻*.·
休日の朝。
目覚ましより早く、スマホの通知音で目が覚める。
画面を見た瞬間、胸がドキッと跳ねた。
『おっはよ〜!今日はデートだよ♡
ちゃんと可愛くしてきてね〜?』
「……で、デート……」
あれ、本気だったんだ
乱数のテンションからして軽く言ってるけど、
ちゃんと服選ばなきゃと慌ててクローゼットを開ける。
会社に行くときとは違う、柔らかい色合いのワンピースを選んで
鏡の前で何度も髪を整えてから待ち合わせ場所へ。
駅前で手を振る乱数。
今日はパステルカラーのパーカーに、ゆるっとしたパンツ。
それなのに、どこかステージ衣装よりオシャレに見えて
「え、これ絶対デートじゃん……!」と内心ソワソワ。
「六花ちゃん♡ 今日めっちゃ可愛いじゃ〜ん!
さては、今日を楽しみにしてくれてた?ふふっ僕嬉しいなー♡」
「ちょ、ちょっと乱数……声大きいってば……!」
笑いながら腕を掴んで引っ張る乱数。
そのままゲーセンへ連れて行かれて、
UFOキャッチャー、音ゲー、対戦ゲーム……
気づけば大はしゃぎして笑いっぱなし。
「ほらほら、次プリクラ〜♡」
「えっ、プリクラなんて何年ぶり……!」
「いいじゃん、記念だよ記念♡」
乱数は画面が光るたびにぎゅっと肩を抱き寄せて、
カメラ目線で満面の笑み。
こっちは恥ずかしくて笑いながらも頬が真っ赤になる。
⸻
そのあとカフェで一息ついていると、
乱数がストローをくわえながらじーっと見てくる。
「……な、なに?」
「ん〜、六花ちゃんってさ、会社ではどんな顔してんのかな〜って♡
ボクの前ではそんなに笑うくせにね」
「そ、そんなこと……」
「あるある〜♡ だってボク知ってるもん。
六花ちゃんが疲れてるとき、声ちょっと沈むんだよね」
茶化すみたいに言いながら、でもどこか真剣な目。
その言葉が、胸の奥までじんわり染みていく。
最後は夜景スポット。
「ほらほら、こっちおいで〜♡」と手を引かれて
街を見下ろすベンチに座る。
夜風が少し冷たくて、乱数がそっと肩を抱いてくれる。
さっきまでふざけていたのに、
急に近い距離で真剣な顔をしてくるから、心臓が暴れそうになる。
「ねぇ、六花ちゃん。
今日ずっと思ってたけどさ……
こういうの、友達で済ませるのってずるくない?」
「…ん?」
「だってさ、六花ちゃんはボクにだけそんな顔見せるんだもん。
もっと近くにいてほしいなぁ……って思っちゃうでしょ♡」
乱数はニコッと笑いながら、
指先でそっと六花の頬をつつく。
指先が触れたまま、乱数は少しだけ首を傾げる。
「ねえ、六花ちゃん」
呼び方が、やけに近い。
「今の顔、他の人にも見せてる?」
からかうようでいて、どこか確かめるみたいな声音。
「……見せてないかな」
答えを知ってるくせに、わざと聞いてくる。
その意地悪さに、胸がきゅっと締まる。
「……乱数には、見せちゃってるけど」
小さく呟くと、乱数の目が細くなる。
「ふーん♡」
嬉しそうに笑ったあと、ほんの少しだけ距離を詰めてくる。
「じゃあさ、その特別」
軽い口調のまま。
でも逃がさない距離で。
「ボクだけのにしてよ」
一瞬、思考が止まる。
「……え、」
「だって、他の人に取られたらヤだもん」
あっけらかんとした言い方なのに、目は笑っていない。
「六花ちゃんのそういう顔、ボクだけが見てたい」
言葉が、甘くて、ずるい。
「……それって」
やっと絞り出した声が震える。
「どういう意味、なの」
聞かなくても分かってるくせに、確認せずにはいられない。
すると乱数は、少しだけ困ったみたいに笑って。
「ほんと鈍いよね〜♡」
でもそのまま、逃げずに続ける。
「ボクさ、六花ちゃんのこと好きだよ」
あまりにもあっさり。
でも、今までで一番まっすぐに。
「友達としてじゃなくて、ちゃんと好き」
「……無理」
ぽつりと零れた言葉に、自分でも驚く。
「そんなの……今さら、無理だから」
乱数がきょとんとする。
「もうとっくに、特別になってるし……」
視線を逸らしたまま、でも言葉は止まらない。
「仕事でボロボロでも、乱数のこと考えてちょっと頑張れたりとか……」
「会えるって思うと、ちゃんとメイクしようって思ったりとか……」
ぎゅっと、拳を握る。
「そういうの、全部……もう、乱数のせいだから」
顔を上げる。
少しだけ涙ぐんで、それでもちゃんと笑って。
「……好きだよ」
「今さら、ボクだけのにしてなんて言われなくても」
一歩だけ近づいて。
「最初から、そうなってる」
六花の言葉を聞いた瞬間
乱数の表情が、ぱっと明るくなる。
「……なにそれ、可愛すぎない?」
次の瞬間、ぐっと腕を引かれて
気づけば、抱き寄せられていた。
「ちょ、ら、乱数……っ」
「だめ、ちょっと黙ってて」
珍しく強引に、でも優しく。
ぎゅっと抱きしめる腕に、体温が伝わってくる。
「……は〜〜、やば。今の、反則」
くすっと笑って、肩に顔を埋めたまま呟く。
少しだけ体を離して、顔を覗き込まれる。
その目は、いつもみたいに軽いのにどこか熱を帯びていて。
「ねえ、六花ちゃん」
「もうさ、そんな仕事辞めちゃえば?」
さらっと、とんでもないことを言う。
「ボクが養うし♡」
「むしろ会社ごと買ってもいいし、焼き払ってもいいよ?」
にこにこしながら物騒なことを言うその姿に、思わず息が漏れる。
「……ほんと、極端すぎ」
呆れたように笑うと、乱数も楽しそうに笑って。
「だって、それくらい本気だもん」
ふっと、優しく声のトーンが落ちる。
「六花ちゃんがボロボロになるの、もう見たくないし」
「笑ってる顔、もっと見たい」
そっと、額に触れそうな距離まで近づいて。
「そのためなら、なんでもするよ」
一瞬、間があって。
「ま、とりあえずはさ」
ぱっといつもの調子に戻って、にやっと笑う。
「彼氏として、ちゃんと甘やかすとこから始めますかね♡」
再びぎゅっと抱き寄せられる。
その腕の中で、少しだけ肩の力が抜けていく。
夜景の光が、やけに優しく滲んで見えた。
♡Fin♡
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