雲雀とホラー
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不意に目が覚めた。暗闇だ。目が慣れてくるとうっすらと視界に障子が見える。そういえば、雲雀さんの家にお泊まりしているのだった。今、何時だろうと枕元のスマホを取ろうとしたが、体が動かない。これ、やばい。金縛りだ。横になっている状態で、後ろに密着しているのは雲雀さんの体だ。誰かが側にいることに少しは安心した。
再び、障子を見ると影が見えた。誰かが立っているのだ。声のならない悲鳴をあげた。影が私たちの部屋を見ている状態だ。すーっと影が消えた。そして、体が動く。金縛りも解けたようだ。少し安堵する。
が、急に両足を引っ張られ、布団の中に引き吊り込まれる。とっさに雲雀さんの足を掴んだ。パニック。そう、もはや、パニック状態だ。まだ、誰かが私の両足を掴んだまま、さらに引っ張られる。逆に私は雲雀さんを掴んで離すまいと躍起になった。
「ちょっと」
さすがにこんな状況なので雲雀さんが起きてしまったようだ。上半身だけ起き上がった気配がする。
「は? 何してんの?」
私の両足は布団から出てる状態だ。端から見れば、おかしい。まだ、掴まれているので、動けなくてどうしようもない。
「……っ!」
助けてほしいのに声も出ない。
「……ああ、ちょっと待てて」
雲雀さんは何かしらの気配を感じとったのか。突然、ドッコと音がした。その瞬間、私の両足が解放された。安堵した途端、布団が捲られる。
「名前」
見上げると雲雀さんが心配そうな顔をしていた。私はのろのろと起き上がり、雲雀さんに抱き付く。肩口に顔をぐりぐり押し付けた。怖かった。本当に怖かった。
「くっきり付いちゃたね」
私の両足には手形の跡がくっきりと付いていた。部屋のあたりを見渡すと畳の上に雲雀さんの武器が刺さってた。口をぽかんと開ける。物理。物理で霊をやったのか、この人。
「ああ、案外いけるもんだね」
あんただけだよって思ったが、口にはしなかった。それにしても、あれは何だったのだろうか。