5話
夢小説設定
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学校行きたくないなあー、サボりたいなあー、なんて思ってたら遅刻間近。やべえ。
ここからだと歩いて校門まで15分かかるのに予鈴どころかHRのチャイムまであと5分。
今の担任遅刻にうるさいんだよな…。苗字終了のお知らせ。でも社長出勤よりはと全速力で走る。もしかしたらギリ間に合うかもしれないし。
突然だけど、ちこく、ちこく〜☆とか言いながらパンくわえて曲がり角で出会いをゲットする奴ら、アイツら絶対遅刻じゃないよね。めっちゃ余裕だよね。
だって本当にヤバかったらパン食べたり喋ったり出来ないでしょ。口から出るのは息切ればっかだし、脇腹痛いし。この状態でパンなんて飲み込もうものならリバースするわ。
なんでこんなことを考えているのかというとね、私の隣をまさにそんな人が走ってるからだよ!しかも2人、昨日も見た顔が。
「あれ、昨日の子じゃん。確か…苗字、だっけ?」
「昨日…あ、もしかして昨日出水が負けた子?」
「負けてねえよ!」
お察しいただけただろうか。そう、弾バカ&槍バカこと出水先輩と米屋先輩である。朝から幸先良くないねー!
「お前も遅刻?」
遅刻しないように走ってんだよ!
喋るのが無理だと伝えるために手で弱々しくバツ印をつくる。
「大丈夫かー?頑張れー」
こんな状況じゃなかったらぶん殴りたかった。しかし体力的に無駄な消費はしたくない。今日帰ったらレイジさんに体力作りのメニュー考えてもらお…。
「出水、あと何分?」
「んー…3分切ったわ」
「俺らもヤバくね」
「確かに」
やっと、気付いたのかヴァカめ!わかったら早く行け。近くで駄べられてると気が抜けるわ。
「ま、いっか。苗字パン食う?クロワッサン」
よくねーよ。しかも喋ることすら出来ない人にパン勧めんなよ。
というか女子力ゥ!朝食からクロワッサンて。私の朝ごはん聞くか?握り飯やぞ?それも塩。くぅ…!これがパリピとの差か。
彼らの会話には一切混ざらずジェスチャーで全てお断りしている内に校門に着いた。今日は生徒指導の先生が待機する日ではないので校門は閉まっておらず、自分の教室までが勝負だ。
靴箱にローファーを投げ入れ上履きは履かずに手で持って走る。先輩達がどうなったかはもう知らん。キーン…コーン…とHRの始まりの合図を知らせる鐘が鳴り始めた。だけどチャイムが鳴り終わるまでには間に合う!
最後のコーンの余韻の時に勢いよく教室に入り、バッと教壇を見ればそこには既に担任の姿があった。
「…はあ、ギリギリセーフだ」
か、勝ったどぉー!!
「が、そいつらは返して来い」
担任の言葉を不思議に思い振り向けば先輩達がいた。いやなんでだよ。
「いきなりスピード上げるからつい付いてきちまったわ」
知らんわ。
「苗字の教室はここかー。お、京介と一緒じゃん」
「まじか、昼休み来ようぜ」
来んな。
ほらアンタらがそんなこと言うから烏丸くんこっち睨んでるんだけど。無表情なのに眼力ハンパないんだけど。
てかめっちゃ怖。イケメンがガン飛ばしてくるのすっごい怖い。私のせいじゃありません。
先輩達は遅刻してしまったというのに悠々と教室に向かって行った。彼らはHRをなんだと思ってるんだ。斯く言う私はHRいらねえなと思ってます、はい。
そして宣言通り昼休みに来訪してきたらしいが、私と烏丸くんは退避していたので、隣のクラスの佐鳥くんが犠牲になったとかならなかったとか。
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