17話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「………」
「………」
緊迫した空気がヒュースと私の間に流れる。
ごくりと唾を飲みさながら死刑宣告のように彼の言葉を待つ。
「…不味い」
そして今日もダメだった。
先日迅さんにヒュースのご飯係に任命されてから何度も挑戦しているが、今のところ私が作った料理に良い反応が返ってきたことは一度もない。
ご飯運ぶだけなら別にいっかなー、なんて思ってたのは初日の朝だけ。なんと私が作って彼に出すよう指示されてしまったのだ。
カップ麺なら誰よりも自信があるのに、その唯一の得意料理(笑)を禁止されてしまい手料理を作るハメになった。ついでに言うとインスタントも冷凍食品も禁止された。私が作れるものが全て禁止項目にあがったこの状況、一体どうしろというんだ。
初日にそのことを聞かされ困った私はキャベツ1玉にロウソクをぶっ刺してマヨネーズと一緒に出してみた。当然怒られた。
翌日の昼、殻が入った上に焦げた目玉焼きを出した。やっぱり怒られた。
夕方、吉野家で買った牛丼を出した。思いの外褒められてしまい罪悪感がハンパなかった。
翌々日。前日の不正がバレてしまい陽太郎監修の下、カレーを作った。形容し難い不思議な味になった。何故レイジさんや烏丸くんではなく監督が陽太郎だったのかとても聞きたい。
そして今再び目玉焼きに挑戦したが二日目のものから一切成長がなく、切り捨てられたところだ。
はっきり言おう。無理!!
どうせ私が作ったの食べれないんだし、初めからレイジさんの料理持ってけばいいじゃん!絶対これ食材の無駄遣いだよ?断言するね。
このままだと近いうちヒュースがお腹壊すのは必至だ。ハッ、迅さんの狙いはもしやそれ?…いやいやさすがに悪どすぎるな。
「ヒュースよ…私の何がダメだったんだと思う?」
「全部だ」
食べた本人にアドバイスをもらおうと思って聞いてみたのだが、迷いなく全否定された。しかしこればっかりは反論出来ない。
「なんで迅さんは私に作らせようとするんだろう」
「俺への嫌がらせとしか思えないな」
「私の料理は嫌がらせの部類ってか?」
「違うのか」
「違わないけどぉ!確かにそれが一番有力説だけど!
他にあるかもしれないじゃん。ほら、えー…花嫁修業とか?」
「フッ…」
「おい今鼻で笑いやがったな」
「相手を探してから言え」
ド正論すぎてぐうの音も出ない。だがメラッと殺意が沸いたわ。見てろよ、彼氏が出来たらいの一番にお前に自慢してやらぁ。
「ヒュース、今日の晩ご飯何食べたい?」
「美味く食べられるもの」
「あー…私が作るならそれが一番難易度高いわ。
こっそりカップ麺にしようぜ。あれなら私プロ級だから。他の人に見つかったらお前も一緒に怒られてね」
「味次第で考えてやらないこともない」
結局二人でカップ麺を食べてるところを陽太郎に目撃されレイジさんにチクられた。迅さんはご飯作るのをサボったことを怒るけど、レイジさんは栄養が偏って体に悪いと怒るからトンズラしずらいんだよな…。
ちなみにヒュースは私に責任を押し付けしれっと関係ないフリをしていた。お前、結構お高めのカップ麺を買ってやったのに許さんぞ。
明日以降はレイジさんが料理を教えてくれるそうです。とても逃げたくなった今日この頃。
1/1ページ