10話
夢小説設定
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アフトクラトルの国が確実に離れるまでの数日間、それぞれが警戒を怠れない状態。
そんな中私は―――知恵熱を出していた。
「苗字ちゃんってさ、とことんカッコつかないよね。せっかく先輩っぽくメガネくん達のこと守ってたのに知恵熱って。知ってる?知恵熱って赤ん坊がなるんだよ」
うるせえ、珍しく頭を使って疲れたんだ。決して私がアホとかそんなのではない。
「迅さんは私を見舞いに来たんですか。それとも貶しに来たんですか」
「一応お見舞いだよ。ほらボスからメロン」
「林道さんめっちゃ愛してる!」
「俺は?」
「メロンだけ置いて帰っていいですよ」
「はあ、初めの頃は素直だったのに…」
失礼な。今だって私は素直だぞ。むしろ初対面よりさらけ出してるからな。
ん?そうなると素がひねくれてるってこと?よし、バルス。
「迅さん、メロン切ってください」
「ホント遠慮がなくなってるよね。あとまだ熱があるんだからリンゴくらいにしときなさい」
「うぇー、もうほぼ下がってますよ。今じゃ療養じゃなくて検査の為に本部基地にいるようなものですし」
そう、微熱程度まで下がってからというものサイドエフェクトに関しての精密検査をされていた。
トリオン体の修復を解析し、他のボーダー隊員も出来るようになれば今後の戦いの幅が広がるだとかどうとか。
結果はサイドエフェクトの恩恵あってのもので、他のボーダー隊員には不可能だったそうだ。私の2日間を返せ。
「そんなことより修は起きました?」
「いや、まだだよ」
「もう大規模侵攻から5日経ちますしそろそろ目が覚めてもいいんじゃないですか?迅さん見えてんでしょ。教えてくださいよ」
「んー、あと少し、かな」
「そうじゃなくて!詳しい、日にちを、教えろって、言ってんすよ!」
「ちょ、胸ぐら掴んで揺らさないで。今トリオン体じゃないから酔う。てか力強すぎ…苗字ちゃん本当に病人だよね!?」
オラァ、吐かんかい!この自称実力派エリートが!もしくは私にメロンを剥きな!
しばらく揺すって迅さんの顔色が悪くなってきたので解放してあげた。
「まあいっか。迅さんが言うならホントにあと少しで目が覚めるんだろうし」
「なら始めから手を出さないで欲しかったかな…」
「で、迅さんは何しに来たんですか?林道さんからのメロンを届けるだけなんて信じ難いんですが」
「苗字ちゃんも疑い深くなったなあ」
そりゃな。アンタが暗躍が好きって聞いてからは、普段と違う行動されたら疑わずにはいられないっしょ。
それにこの部屋に入ってきた時の迅さんの雰囲気が微妙な感じだったし。…多分。
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