きゅうわ
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学長相手に大見得を切ってから1日が経過した。準備があるので、なんて適当なことを言ったが準備するようなことなんて一つもない。おそらく呼べば、来る。
呪いが大量に現れても問題ない学校から離れた山の更に奥まで移動もした。五条さんがついて来てくれると言っていたが、頼りきりになるわけにも、呪いと戦わせるわけにもいかないので自分の問題だからと断った。
昨日覚悟を決めたばかりだというのに、たった1日で揺らいでしまうほど私は弱い。でもやるって決めたんだ。
余計な考えを振り払うようにパン!と両頬を思い切り叩く。
っ〜〜、いったい!でも気合いは入った!よし、やってやらァ!
この場所に来て高専の建物内では感じなかった視線をずっと感じている。私が意図的に1人で人気のない所に来たからあっちも察して自分達の存在を強調しているのだろう。
もしかしたら私の望みすら既に理解している可能性もある。まあ呪いの考えなんてどうだっていいんだけど。
「すぅ…ふーー………。うっし。
ちょっと用があるんだけど出てきてくれる!」
そう声を張ると風が強く吹き抜けた。思わず目を瞑り、開いたらそこには例の呪霊がいた。
会うのは3度目。慣れた、とは言い難いが初めほどの拒絶はない。
「アンタ達が連れ去った人が何処にいるのか知りたいの。それを知ってる呪いに会わせて」
「少し、甘くなっている」
「は…?なに」
「条件が不明だ。身体的変化はなく、魂の形も因果もそのまま。可能性としては心情の変化が関係あるのだろうか。
何にせよ香りが強くなった。それは喜ばしいことだが羽虫が増えてしまうかもしれない」
だから何の話だよ。いきなり訳の分からないことを言い出しやがって。
つーか待って、私って臭うの…?
クンクンと腕の臭いを嗅いでみるが、自分ではわからない。呪いを寄せ付ける体臭とかすごく嫌なんだけど。…今日帰ったら匂い強めのボディソープ使ってみるか。
「ねえ、アンタの考えはどうでもいいから、行方不明者と関係がある呪いに会わせて欲しいんだって」
「耐えられるのか?私と出会った時すら混乱しその身に余る呪力が暴走したのに、今会うことは可能だと?」
「出来る。決めたから、ちゃんと」
「…わかった。では連れて来よう」
「あ、でもアンタは来ないで。2人もいられると圧迫感すごいっていうか、ぶっちゃけ邪魔」
「否、私も」
「無理無理。本当に無理。つーか半径3m以内に近付かないでよ。こんなのが2人とかやってられないわ」
「承知した…」
呪霊がズーンと落ち込んでるみたいだけど知ったことか。嘘偽りない本音だし。1人でもなんかゾワゾワするのに2人とかマジ勘弁。
呼びに行ったのか姿を消した呪霊が他の呪いを呼ぶまでに心の準備でもしとこう。
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