はちわ
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「じゃあここに学長がいるから1人ずつ僕と一緒に入ってね」
「1人ずつ、ですか?」
「そう。片方の意見に流されないようにだって」
「?」
何か質問でもされるんだろうか。…ハッ!もしかして試験とか!?トントン拍子で入学が決定したけど、そういえば入試してないよね。
待って、私の頭は平均だぞ。前日に詰め込んでないのに入試は無理だから。
伏黒は……頭良さそうだね…。
自分から進んで呪術師を目指すわけではないけど、ここまで来て落ちたからハイサヨナラ。なんてごめんなのだが…。
「恵から行こうか。なまえはここで暫く待っててね」
ここで!?廊下じゃいつ誰が通りかかるかわからないんですけど。五条さん私の初対面の相手に対する対人能力の低さ知ってるよね。なのに1人で待たせるとかどんな鬼畜だ。
ってもういない!?毎度神出鬼没すぎないですか!?
ポツンと静かな廊下に1人立つ。防音性が優れているのかドアを閉めたら中の声や音は聞こえない。それでもついつい何か聞こえないものかと耳をすましてしまう。
しかし私の耳は室内の声ではなくドシドシと廊下の先から響く足音を拾った。エッ、マジで誰か来た?うっそ、五条さーん!へるぷみー!!
「お、女子だ」
「…………パンダァ!!?」
「中々いい反応するな」
「しゃべっ!ファスナーどこ!?」
「ないない。ファスナーなんてねえし、着ぐるみでもない。
だから誰だか知らねえけど毛を引っ張んな」
嘘だろ、本当にファスナーも首の分かれ目もない。毛の触感もリアルで温かい。
つまり、本物の喋るパンダだ。
「い、」
「い?」
「いくらで売れんだろ」
「売る気か!?」
いやだって喋るパンダだよ?売っぱらえば億万長者も夢じゃないでしょ。むしろ売らずに飼って一儲けすべきかな。
あ、でもここにいるってことは野生じゃないんだろうし、誰かのペット?それなら奪ったら訴えられちゃうわ。
「ごめんね、パンダさん。人のペットは連れてったら窃盗だよね」
「お前の頭の中で何が起こったんだ?
あと俺、ペット、違う」
「パンちゃん、お手」
「犬じゃねえよ。パンちゃんってなんだ」
このパンダ人の言葉を完全に理解してる。知能がすごく高いんだろう。体も普通の動物園とかのパンダより大きいし突然変異とか?
暴れないパンダの背によじ登り、頭のてっぺんや耳などの感触を堪能する。フワフワしてる。やっぱ欲しいなあ。
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