ななわ
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中学校は無事に卒業した。
卒業式までの数週間は学校を休み、式では保護者席に五条さんが座ってた。なんでだよ。いや、確かに何かあった時の対処役として来てるのは知ってるよ?事前に教えて貰ったしね。でもなぜそこに座る。
せめてその目隠しは外してから来て欲しかった…。周りの視線独り占めじゃねーか。卒業生より目立ってんじゃねーか。
退場する際も手を振られた上に、写真まで撮られた。やめてくれ、切実に。
教室に戻り最後のHRでも、教室の後ろに並ぶ保護者の中に楽しそうに笑ってる五条さんが混ざっている。私が一体何をしたっていうんだ…。
学校に思い入れは少ないものの、僅かに感じていた感慨深さすら消え去ったわ。
「いやーよかったね、卒業式」
「どこが?いやマジで、どこが?」
「あれ、泣かなかったの?」
「あの状況でどう泣けと?クレイジーすぎんだろ」
「そっか。そういう子もいるよね」
「聞いてる?」
「じゃあ早速高専に行こっか。今日は学長と会ってもらおうと思ってるんだ」
「聞いて!?」
―――――
そして連れて来られたのは都内ではあるけど、めっちゃ山の中。迷ったら遭難しそうだな。
「あ、ストップ。ここでもう1人合流する予定だから」
「もう1人?」
「そ。4月からなまえのクラスメイトになる子だよ」
クラスメイトかあ…。可哀想に、卒業して即こんな郊外に呼び出しとか。普通の子はもっと家族と過ごしたり色々あるだろうし、入学式までは自由にさせてあげろよ。あ、呪術師を目指す時点で普通じゃないか。
「五条先生。すいません、待たせて」
現れたのは黒い髪に三白眼の男の子。印象としては真面目そうだなってくらい。目付き悪いけど。
「…そいつは?」
「恵のクラスメイトになる子だよ」
「前に言ってた2人目の奴ですか」
「いや、それとは別に新しく追加された子だ。仲良くしてあげてね」
めぐみ?くんは五条さんの説明を聞きながらジッとこちらを観察している。少し居心地が悪い。
今まで周囲は私から目を逸らすのが普通だったから長く見られるのは慣れていない。五条さんはまず目が見えないのでノーカンだ。
それに2人目って言った?一年生私を入れて3人しかいないの?少なくね?
「……って、先生?」
「言ってなかったけ。僕、高専の教師なんだ」
「聞いてないですね。というか教師がストーカー…」
「はいはい、それは忘れようか。
そんなことよりほら、恵と自己紹介しなよ。これからは苦楽を共にする仲間なんだから」
五条さんの後ろに位置していたが、グイッとめぐみくんの前に差し出された。
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