さんわ
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彼女と会ったのは偶然だった。
行方不明者が複数確認された中学校へ向かった一級呪術師からの連絡が途絶えたことにより、その中学校がある市を再調査したところ、間隔は空いてるものの老若男女問わず結構な人数がいなくなっていることが判明した。
消息不明となったのが一級呪術師だったことも踏まえ、上の連中はその中学校に特級クラスの呪いがいると仮定し、僕に白羽の矢が立った。
任務の内容としては、派遣された呪術師の生存確認及び救出、現地の原因の究明と解決、の二つだ。
本来なら学校を閉鎖するべきだが、学校側が強く拒否したことにより現在も生徒達は登校しているらしい。
その辺に疑問は抱いたが、学校の事情まで探っていたら任務が進まなくなってしまうので一旦保留にしておこう。
早速生徒が下校した後に問題の中学校を探索してみたものの、それらしき呪いは見当たらない。
いやまず、帳を下ろしているにも関わらず”何一つ呪いが存在していない”。
うーん、これは確かに異常だね。
何もいないなら今日はこれ以上調べても収穫はないだろうし、明日は生徒がいる時間に探ってみるか。
そうして翌日。
大体の生徒が登校したくらいの時間に学校に来てみると、昨日調査したのが嘘のようにうじゃうじゃと呪いが蔓延っている。これじゃ気配を察しようにも至る所に呪いがいて特級だけを特定するのは難しい。
生徒の誰かが呪われていると考えるのが妥当だろうけど、中学生がこれほどの負の感情を向けられるものなのだろうか。もし複数人が呪われているのだとしたら探し出すのに苦労しそうだ。
面倒ではあるが一匹ずつ地道に祓っていくかと考えていると、屋上へ続く階段から足音が聞こえてきた。
今は授業中だから見回りの教師か、サボりの生徒か。行方不明者について聞いてみるものありだな。事情聴取の後は学校の上のほうから適当に僕のことを説明してもらえればいいし。
ゆっくりと足音が近づく。ざわりと嫌な風が肌を撫でた。扉を挟んだ向こう側からの威圧感が増す。
これは、事情を聞くどころか当たりかもしれないな。
ギィと音を立てての開いたドアの先を見る。
かろうじて足とスカートが視認出来るからおそらく女子生徒だろう。だけど顔すら一切見えないほど大量の呪いに囲まれている。
気配も雰囲気も一般人のはずなのにこれほど呪われているなんて、よく普通に過ごしていられるな。
異様な光景につい思ったことが口から出てしまった。
「きみ、よく生きてるね」
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