にじゅうきゅうわ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なまえ、いい?次また呪物だなんだって言われたらその場で遠慮なく鼻っ柱をへし折んなさい、物理で。私が許す」
今日一、二年が集まった目的である交流会の作戦会議中になんつーこと言うんだ。
「いや無茶言うな」
「おい野薔薇、違ぇだろ」
「ですよね、真希さ、」
「やるなら戦闘中に、だ。なまえ、どいつに何を言われたか一言一句覚えとけよ。殺さなけりゃ何でもアリなんだから、腹立った分いくらでもやり返せんぞ」
「物騒!」
交流会ってそういう意図の行事じゃないと思うんですが!?
「まあ冗談はさて置き」
ねえホントに冗談ですか?声色が大分本気だったけど、冗談って言ったのを信じていいんですよね?
私の疑問を意にも介さず話が戻る。待って野薔薇、今私は呪い担当って言った?交流会は亜儚達を使うのはダメって言われてるんだよな…。
「あの、私個人じゃ索敵クソなんだけど」
「御守り置いてけば呪いから勝手に寄ってくんでしょ。呪いホイホイじゃない」
「鬼畜か!?」
「交流会で使われんのは二級までだからなまえでも大丈夫だと思うぞ?前に二級祓ったって言ってただろ」
「あー……祓ったというか、爆散したというか」
あれを祓ったと言っていいものか…。多分純粋に呪具だけを使った戦闘なら負けそう。
「すじこ」
え?なに?念の為用意しといた?
そう言った狗巻先輩がポンと私の手のひらにある物を置く。…………防犯ブザー…。
「こんぶ、明太子」
ヤバそうな呪いと遭遇した時は遠慮なく鳴らせ、って…。
「恥のが勝って鳴らせそうにない場合はどうすればいいですか…」
「おかか」
我慢しろと言われましてもこれは…これはさあ!
何かないものか…私が索敵出来て、強そうな呪いは回避出来る方法……。考えろー考えろー…。あ、そうだ。
「ねえ、伏黒。黒ちゃん貸して」
「嫌だ」
即答かよ!知ってたけど!
「玉犬をお前につけて索敵やらせると一時も離せられねえから一番使い道少ないだろ」
すいませんね!
「だって、皆は呪力察せるじゃん。私全くわかんないんだよ?つかさ、残穢ってなんだよ!一度たりとも知覚出来たことなんてないわ!」
「堂々と言って恥ずかしくならねえのか?」
「恥ずかしいよ!」
くそぅ…恥ずかしいに決まってんだろ。私だって出来るものなら自分でやりたいっての。
「こうなったら敵だけど東堂さんに相談してみるか…?丁寧に教えてくれる可能性も…」
「ゲホッ!?」
ぼそりと独り言を呟くと、隣にいた狗巻先輩が大きく咳き込む。
「え、狗巻先輩大丈夫ですか!?今のど薬持ってます?」
「おかか…」
「いや棘は大丈夫だと思うぞ。それよりなんで東堂?どこでそんな懐いてんの?」
本当に大丈夫なの?心配げに本人を確認すると問題ナシというふうに手を軽く振る。うーん…噎せただけかな?
「パンダ先輩達が東堂さんについて行かせたんじゃないですかあの時はまだ初対面だったのに」
「アイツに懐く要素ある?」
「さらっと失礼だな。話してみたら結構良い人でしたよ」
「えぇー…」
「パンダ、棘。てめえらが原因か」
「もしなまえがあのゴリラみたいになったらどうすんのよ!」
ならねーよ。お前は私をなんだと思ってるんだ。
「いやだってあの東堂だぞ?絶対仲良くならないと思ってたのに」
「しゃけしゃけ」
おい、ならなんで任せた。
「みんな、東堂さんのこと嫌がり過ぎじゃないですか?多少ウザいけど酷い人ではなかったですよ。あとなんかいい匂いがした」
「そこが逆に腹立つ」
「…なるほど」
「悪影響は受けんなよー。真希がキレるから」
「こんぶ…」
「そうだな、影響受ける以前に既にキレそうだわな」
そう話すパンダ先輩と狗巻先輩の後ろでは真希さんが何故か呪具の手入れに取り掛かり始めた。これだと殺傷能力が…などと不穏な言葉が聞こえるのだが、いいのかあれ。……LINEの連絡先交換したのは黙っとこ。
こうして今日の作戦会議では、団体戦での各自の動きと一緒に、私の東堂さん接触禁止令が決定された。
1/1ページ