にじゅういちわ
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「なまえ。いる?」
ドアの外のノックと共に野薔薇の声が聞こえる。
「えっ!?あ、ちょ、ちょっと待って!ぅ、わっ!?」
呪力を一定に保つ練習をしていたのだが、声に反応してしまい、学長から貰ったぬいぐるみが爆ぜた。文字通り。
中身の綿が部屋中に散らばって、目の部分のビーズは壁にめり込んだ。あぁぁ…またやっちゃった…。
「ちょっと大丈夫なの?」
部屋から聞こえる音に心配した野薔薇が遠慮気味に扉を開く。そして部屋の惨状をみて絶句した。
「あ、はは…。ごめん、今ちょっと招ける状態じゃないから外でもいい?」
「この部屋は放置するつもり?」
「まあ最近よくあるからね。3日に1回くらいはこうなるしもう慣れたかな」
「これが3日に1回…。何してんのか知らないけど自室以外でやりなさいよ」
ごもっともです。
「それで用件だけど、買い物行きたいから一緒にどうか誘いに来たのよ。ちなみにこの後、荷物持ち要員の男共にも声を掛けに行くわ」
「! 行く!」
わ、わあ!女の子の友達と出掛けるなんて初めてだ…!真希さんとは予定が合えばショッピングしようって約束したけど、休みが合う日の前日が結構きつい任務だったりなどの理由で未だ行けず仕舞いでいる。
一人や伏黒と一緒だと必要最低限の物しか買わないから、野薔薇の買う物を色々と参考にさせてもらおう。
「片付けは大丈夫なの?別に忙しかったら今日じゃなくていいわよ」
「大丈夫。もう慣れたものだから。それより買い物一緒に行きたい」
「そ、じゃあ私が荷物持ちを連れてくるまでに出来るだけ片付けて準備してなさいよ」
「わかった。ありがと、野薔薇」
どうやら部屋のことを気遣って伏黒や虎杖には一人で声を掛けに行ってくれるようだ。まあ完全に放置で行くのもな、と思っていたからすごく助かる。そしてあの二人が行くのは言い方的に決定なのね。
「野薔薇って原宿好きなの?前の集合場所も原宿だったけど」
「オシャレといえば原宿でしょ」
「そう、なの…?」
野薔薇の東京に対する偏見がすごい。といっても私も都民じゃないから全然詳しくないけど。
「とにかく今回は色々買う予定だからしっかり働きなさい、荷物持ち共」
「うわ、どうしよ伏黒。これついて来たのが間違いだった予感しかしない」
「だから俺は嫌だっつったんだよ」
「いやだって1年で親睦深めようって言われたら来ない訳にもいかないじゃん」
虎杖が良い子すぎる。そして野薔薇は騙して連れてきたのか。
「何、まるで私が騙したみたいな言い方して。親睦深めるついでに買い物するだけじゃない」
「釘崎の中ではメインが変わってね?」
「何かしながらの方が話は弾むでしょ。文句言う暇があったらさっさと行くわよ!」
物は言いよう。そして露骨に話を逸らしたな。自分の非は一切認めないとこ逆にすごいと思う。
私は皆で買い物出来て嬉しいけど男子達にはちょっと悪いことしちゃったかなぁ。
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