にわ
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「きみ、よく生きてるね」
「は?……えーっと、ケンカ売ってます?」
とりあえず頭に浮かんだ言葉をそのまま言ってみる。
不審者に生きてることにケチつけられる日が来るなんて思ってもみなかった。
パッと見た感じでは二十代くらいだろうか。この学校でこんな教師は見たことないし、誰かのお兄さんとか?だが親族の場合でも屋上に入る必要はないだろう。
つまり不法侵入…やっぱり通報しよう。
地面に落ちたスマホを拾い起動させた…が、つかない。もう一度試しても、黒い画面のまま。
嘘だろ、壊れた?まじか!?ゲームの、データ…!!引き継ぎコード発行してないのいくつかあんだぞ!
死んだ。前世の夢云々より精神的ダメージがやばい。
「あーあ、画面バキバキだね。大丈夫?」
「いや全然だいじょばない」
「何しようとしてたの?僕の代わりに貸してあげようか?」
「まじ?助かるわー。
不審者がいたから通報しようと、……ぎゃっ!!?」
…いつの間に隣に来てた?ついさっきまでフェンスの上にいたよね!?何より足音が一切しなかったんだけど!?
もしかして幽霊的な?なるほど、理解。
霊感ない人にも見えて、さらには喋れるなんてハイスペックな幽霊だなー。身体透けてないし足もしっかりある。最近の幽霊は人と区別つかないくらい進んでますねえ。あっはっはっ。
「お勤めご苦労様でーす」
「お勤め?」
「幽霊でも屋上で黄昏たくなる時はありますよね。大丈夫です、誰にも言わないんで。
だけど逆恨みでもスマホの件は憎たらしいと思ってます」
「幽霊…まあ、いっか。じゃあそれで」
じゃあって返事が少し気になるけど幽霊にもいろいろあるんだろう。
想像する幽霊と違って随分とフレンドリーな印象だけど、不可思議な現象である以上関わらないに限る。相手が人外なら暴言もスマホも怒ったところで意味がないしね。さっさと退散しよう。
「あれ、もう行くんだ」
「そうですね。サボらず授業出よっかなと」
「ふーん。ならその前に聞きたいんだけど、君は誰かに恨まれるようなことをした覚え、ある?」
変なことを聞く幽霊だなあ。恨まれる、ね。
答えなんて決まっている―――
「――まったく身に覚えがないですね!」
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