じゅうきゅうわ
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「伏黒ー、私さこの部屋に御守り落としてなかった?」
今日もズカズカと伏黒の部屋に入る。五条先生から伏黒がボロボロになったと聞いていたが、私が訪ねた時にはもう硝子さんが治していたのでどの程度の怪我だったのかは知らない。あっちが普通そうにしてるので、私も怪我がどうだったのかなど追及することもないかなって思ってる。ちなみに新しい同級生とやらにはまだ会ってない。いつ来るんだろ。
「床に落ちてた。重要なもんじゃねえのかよ」
「いやあ、最近は極力呪力を漏らさないのが出来るようになってきたから正直それまだいるのかなぁとか考えてる。
体質がどうとかは目に見えてわからないし、自分では実感も出来ないから、効いてるのかさっぱりだし。伏黒わかる?」
「持ってるのとないのとじゃ全然違う」
「え、わかんの?」
「まあ、なんとなく」
「全然違うのに何となく?」
「言葉で説明しにくいんだよ」
「ふーん」
変なの。自分じゃ全くわからないのに。でもまあ伏黒もそう言うならちゃんと持っとくか。
「そうだ、新しいクラスメイトってどんな人?五条先生、電話でクラスメイトが増えるって言ってから何も連絡くれないしさぁ」
本当になんなんだろうね、あの人は。こっちは中途半端に言われてすごい気になってるってのに。
「どんな……多分いいやつ…?」
「なんで疑問形?」
「俺もそんな話したわけじゃねえんだよ」
「ふーん。来てくれるの楽しみだね」
「…そうでもない」
素直じゃないなぁ。ツンデレにしてもツンがすぎるぞ。
やれやれ仕方ないな、という態度をすると、伏黒は嫌そうな顔をして入口の方へ歩き出す。
「トイレ?」
「違ぇよ。長時間寝てて体が硬くなってるから散歩」
「いってら」
「お前も出ろよ」
「ええ…私も?」
「当たり前だろうが」
ちっ、今日も居座る予定だったのに。渋々重い腰を上げる。
最近は私が部屋に訪問するのをもう諦めているようで、時々口は出しても基本は部屋にいるのに我関せずって態度だったけど、本当に出て欲しそうにしてるならその通りにしなければ次から入室拒否になるかもしれない。引き際はちゃんと見極めないとね。
入口まで行って、今日の目的だった御守りを持ってないことに気付いた。
「あ、御守り忘れた」
「何しに来たんだよ」
「取ってくるわ」
くるりと回れ右して部屋に戻る。伏黒は待っててくれるなどの殊勝なことをするわけもなく、さっさと部屋から出て行った。
他人を置いて出るとか不用心過ぎないか?多分信用されてるってことにしとこう。なんだよ、ここでデレんのか。わかりづらいわ。…やっぱデレではないな、これ。
机の上にあった御守りを持ち、伏黒を追うように部屋から退室する。
廊下に出たら伏黒と五条先生、あと知らない男子が一人いた。もしかしてその人が編入生?
新しいクラスメイトらしき人の頬にギョロりと一つ目が現れ、それと目が合った瞬間──空気が、震えた。
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