じゅうはちわ
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呪術高専に入学してもう二月が過ぎた。
この二ヶ月で高専の人達とは結構交流を深めれたと思う。五条さんを先生って呼ぶのにも慣れた。第一印象が教師からかけ離れ過ぎててスムーズに五条先生と呼ぶまでに一月はかかったのだが今呼べてるので問題なし。
最近では低級の呪いなら一人で祓うことも出来る。そこまでの道のりは長かったけど。
初任務での失態もあり、2回目の任務では五条先生について行くことになった。結論から言えば、もう二度と行きたくない。
もちろん守ってはくれたよ?でも私の精神面に大変よろしくない。あんなのに毎回連れて行かれるくらいなら一日でも早く呪いを祓えるようになる、と空き時間は特訓に費やした。
術式はまだ不安定だから、今は任務の度に真希さんから呪具を借りているが、この間は単独で任務にも行った。そっちの方が五条先生の任務について行くのに比べたら何倍も気が楽だ。
そんなこんなで一応呪術師やれてます。
初夏の熱気とじめついた天気にうんざりしつつも、エアコンの効いた伏黒の自室で寛ぐ。
「ねえ、伏黒。クラスメイトってもう一人いるんだよね?」
「そう聞いてる」
「でもさ一向に来なくね?」
「俺が知るか。というか授業の後やら任務がない日に俺の部屋に来んのやめろ」
「だって私の部屋のエアコン壊れてんだよ」
まだ真夏ほどの気温はないにしても最近の日中は暑い。冷気を求めてしまうのも仕方ないだろう。
「禪院先輩のとこに行けばいいだろ」
「そんな毎日のように行ってたら真希さんに迷惑じゃん」
「俺の迷惑も考えろよ」
伏黒ってば口うるさいなあ。いいじゃん、お前が今食べてるアイスは私の手土産だぞ。てかお前いつの間に2個も食べやがった…!?それもう1個は私のだったんだけど!
「仙台まで任務に行ってる間は勝手に入んなよ」
「さすがに部屋の主不在で入ったりしないわ。
任務って明日からだっけ?」
「おう」
「お土産よろしく!牛タンがいいな!」
「もう忘れたから無理」
「よし、LINEするわ」
「贄犠からの通知だけ切る予定だから無理」
絶対に私にだけはお土産を買わないという意思がありありと伝わってくるようなこと言ってても伏黒はツンデレ野郎だから嫌そうな顔して買ってくれるに違いない。…買ってくれるよね?
じ、と期待を込めた目で見ているのに伏黒の視線は手元のスマホに向かっている。人と話す時は目を見ろよ、この現代っ子め!
「確か特級呪物の回収だったよね?」
「ああ。宿儺の指、呪物の中でも特にヤバいやつだな」
「へー………それって、私より?」
学生証をもらった時に自分が特級呪物とされたことを聞いた。偉い人達には私は人として見えていないらしい。生きてるのに、動いてるのに、自分の意思があるのに。それでも私は物だと決が下された。
聞かされた当初は腹立たしかったが、数日も経つと気にもならなくなった。だってそう決まったからって死ぬわけじゃないし。だから肩書きが呪術師だろうが呪物だろうが構わない、と今じゃ完全に開き直ってる。
それでも伏黒は納得していないようで、この話題になるといつも不機嫌そうに眉をひそめる。
「おい、その言い方…」
「間違えました。今のナシね、ナシ」
怒られる前にパッと訂正しておく。どうであれ上の決定は覆らないだろうし、そんなふうに誰かが怒ってくれるのは嬉しい。だから余計に知らない人が私をどう思ってようが関係ないんだ。
「それでさ、さっきから思ってたんだけど宿儺ってなんだっけ…?」
「……明日の支度があるから帰れ」
「やめよう?その馬鹿を見るような目。絶対に支度云々じゃなくて面倒だから厄介払いしたいだけだよね?
確かに授業で習ったかもしれないけど、私がただ忘れただけかもしれないけど、でももしかしたら五条先生が私には教えてなかったのかもしれないじゃん…!」
「なら尚更五条先生に聞けばいいだろ。ほら、さっさと帰れ」
追い出す理由か出来たからってここぞとばかりに退室を勧めてくる。
ちっ、仕方ないから今日は帰ってやるよ。ちゃんとお土産買って帰ってよね。
私はまあ一応宿儺のこと調べとこ。
後日、五条先生から「恵がボロボロになって、クラスメイトが1人増えたよ」って電話があった。しかもこっちの返事を聞くことなく切りやがったんだよ、あの教師。
一体どういう状況でそうなったわけ!?
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