じゅういちわ
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「贄犠。おい、贄犠」
「…うっす」
「なんだそのやる気のねえ返事。まあいいけど、その貧乏揺すりはやめろ」
すまぬ、緊張しちゃってね。足だけでなく全身が自動バイブだぜ。
先輩ってどんな人達だろ。私友達と同様に先輩って慕える存在もいなかったから受け入れてもらえるのかすごい不安だ。
「どうしよ伏黒…もし先輩に同じ空気を吸うのも不快な底辺のゴミクズがなんで生きてんだよ死ね、って言われたら3日は立ち直れない」
「どんな偏見だよ」
いや実際に似たようなこと言われたことあるんだよね。ゴミ虫がまた登校してきたのかよ、どこに居ても害悪なのに生きてる意味あんの?みたいな。
まあその人も例に漏れず消えちゃったけど。あ、でもこの間ので助かったのかな?
そんなこんなで先輩らしき先輩は今までいなかった。今までのは同じ学校で年上の人達だ。
つまりこの学校でもそういう人がいるかってのが重要なんだよ。もしいたら泣きそう。人が少ないって言ってたし小さなコミュニティから外されたらボッチ確定だ。
「伏黒は私を見捨てないよね!?」
「どうしてそうなった。俺を巻き込むな」
このドライモンスター!友達だろ?友達ってのは苦楽を共にするものなんだから一緒に先輩に嫌われてくれたっていいじゃんか。
あれ、私達って友達だよね?もう親友の類だよね?私の友達は伏黒1人だけしかいないんだから捨てないで!
「重い」
バッサリ切り捨てられた…!
「ずるい、ずるい、ずるいわぁ」
何も無かった空間からピリピリとした空気を纏った蝕衰が現れた。コイツ、当分顔見せんなって言ったのに。
「なんでキミはそないな態度なのにひいさんに好かれるん?
ボクらのがずっとひいさんと一緒におるのに。ボクのがずっとひいさんを思おとるのに。なんで、」
「蝕衰。伏黒に何かしたら許さねえぞ」
「…なぁんもせんよ?ボクらの果実に出来た初めての友達ってのがどんなんか見に来ただけやわ。
この
うっさんくさ。制止しなかったら何してたことやら。
「贄犠」
「あっ、ごめん。これは…その」
「前にもこんなことあったな。初めて会った日に」
「え?」
「五条先生から一応聞いてる。呪われてんだろ」
「まあ、呪われてるというか、憑かれてるというか」
「お前が制御出来るようだし俺は気にしてない。お前が好きな時に祓えばいいだろ。それだけ強い呪いがいくつもいるのなら十分利用価値もある」
…伏黒はすごいなぁ。気味悪がらずに、倦厭せずに。私の力不足を責めたりしない。
本当に優しい、大事な友達だ。
だからもしコイツらが伏黒に手を出そうものなら殺す。呪って呪って呪って呪って。私のこれまでの負の感情全てをぶつけてでも呪い殺してやる。
もう二度と私の居場所を奪われてたまるか。
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