じゅうわ
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「ふっしぐーろくーん!あーそびーましょー」
ドアをダンダンと殴りながら呼びつけるが返事がない。あっれ、なんでだろ。五条さん情報では部屋にいるって聞いたんだけどな。
もしや聞こえてない?
「伏黒ー?もしもーし。恵ちゃーん。伏黒ゴルァ」
やっぱり返事がない。最後の方なんてドアを蹴りまくってたのに聞こえてないっことはさすがにないだろう。むしろ寝てても目覚めるほどの騒音だった。
「ハッ…まさか、死んでる…!?」
「生きてる」
ガチャリとドアが開き中からどこにも異常がなさそうな伏黒が出てきた。なんだ生きてた、よかった。
「うるせえ。もう少し普通にノック出来ねえのか」
「五条さんから友達の部屋に遊びに行ったら皆こうするって聞いたんだけど…エッ、違うの?」
「…騙されてるぞ、それ」
「!?」
なぬ!?あの野郎、さも当然のようにさらっと嘘つきやがったな。絶許。
「じゃ、じゃあ手土産必ず持参ってのも嘘…?」
「それは人によるな」
「マジかよ。気合入れて買い溜めしてたレアな期間限定もの持って来ちゃったよ。
まあいっか、伏黒も食べるよね。期間限定、更には数量限定のポテチ、~さあ開こうぞ宵の宴、アバンチュールは春風にのせて~味」
「ちょっと待て」
「意味不明な味の名前がすごい気になったんだよね。入手経路は忘れちゃったけど多分大丈夫だよ。食べれる食べれる」
「絶対食わない。俺は断固食わないからな」
「うんうん、ちゃんと半分こしようね。てなわけでお邪魔しまーす」
未だに反論を続ける伏黒を無視して、横をするりと通り抜け部屋に侵入する。
へぇー、ここが伏黒の部屋かあ。片付いてるなあ。男子の部屋って汚いもんじゃないの?元いた私の部屋より綺麗だ。負けた…!
伏黒も諦めたのかドアを閉め部屋に戻ってきた。
「で、何の用だよ」
「遊びに来たって言ったら、」
「帰れ」
「デスヨネ。ちょっと聞きたいことがあって。
これなんだけどね…」
そう言ってポテチを入れてた鞄からタッパーを取り出し開ける。
「…炭?」
「いやクッキーです」
「チョコ味とか?」
「うんにゃ、プレーン」
「焦げすぎだろ。捨てろ」
「そうだけど!理由くらい聞いくれたっていいじゃんか!?」
「理由聞いて食べないといけない空気になったらどうすんだよ。クッキーもポテチも食わないからな」
「いいから!もう食べろとか言わないからさ!」
「じゃあなんだよ」
「この変わり身の早さよ…。
このクッキーさ、なんか変な感じしない?なんというか食べちゃいけない感じ」
「そりゃこんなに焦げてたらな」
「そういうんじゃなくて!…よく見て」
「?………っっ!?」
真っ黒なクッキーの残骸を数秒じっと見つめ何かを感じ取ったのか、驚いた伏黒が少し顔を離す。
「これ、力自体は小さいが、呪物だ」
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