君は悪い人
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「あれ、キルア今から仕事?」
「…なまえかよ」
「私だと何か問題があるの?というか仕事前から血の匂いをさせてたらバレるよ。怪我でもしてる?」
「俺は怪我してねえし、仕事でもねえから」
仕事じゃない?じゃあ遊びにでも行くのだろうか。イル兄が許すかな…。
あ、そういえば2日前から仕事で他国に行ってたや。なるほど、その隙にってやつか。わかる。何かやらかすなら鬼の居ぬ間にだよね。
「なまえ姉が止めても行くぜ」
「なんで?遊びに行くくらい良くない?」
「は?」
「え?」
もしかして遊びに行くんじゃない?その上付着した血…。
「わかった、家出だ」
自分が家出した時もイル兄が家にいない時を狙ったからピンと来て言葉にしたのだが、私の答えにキルアは大きな舌打ちを返し襲いかかってきた。
「こら。危ないでしょ」
当然念すら知らない弟に負けるわけもなく、動けないよう拘束する。
「くっそ、離せよ!」
「はい」
「んなっ!?」
離せと言われたから望み通りに離してあげたら体勢を崩したキルアが転びかける。そんな驚かなくてもいいのに。
「えーと、今どのくらい持ってたっけ。……まあないよりマシかな。
キル、はいこれ」
「なんだよこれ」
「何って見たまんま私の財布だけど」
「意味わかんねえし」
「キル、お金持って出てないでしょ」
「……」
その辺まで考えが回ってなかったって顔だなぁ。私もあまり人の事言えないけど、キルアはまだ12歳で世間知らずのお坊ちゃんだから仕方ないよね。
「外って結構お金がものを言うからね。何年も暮らせるってほど入れてないけど当面は何とかなると思うよ」
「…反対しねえの?」
「しないよ。私もしたことあるし。皆して束縛激しくて嫌になるよね」
「はあ!?いつだよそれ!」
「うーん、と…4年くらい前?教えてあげるから歩きながら話そ。捕まったら面倒だよ」
思ったより呑気にしてるキルアの手を引き、門へ向かって歩を進め始める。
「それで、一体いつのことだよ。俺全然知らねえんだけど」
「キルアがまだ天空闘技場にいた頃に出て行って半年くらいは好き勝手やってたなぁ。200階到達して家に帰った時に数日くらい私がいなかったの覚えてる?」
「覚えてない」
「えぇ…あんなになまえ姉がいない、なまえ姉が帰るまで仕事行かない、って駄々こねてたのに」
「してねえよ!!」
残念でしたー。ちゃんと執事達から聞きましたー。顔真っ赤にしちゃってキルアは可愛いなあ。
「キルちゃんがお姉ちゃん大好きの甘えたなのはさて置き」
「置くな!違うっつってんだろ!」
「今更恥ずかしがらなくて大丈夫だよ。うちの全員知ってることなんだから」
キルアはプルプルと震えながら羞恥に耐えている。繋いでる手も振り払おうとしてたけど、がっしりと掴んでいるのでそれは叶わなかった。
「さて、私の家出話の代わりにキルアの可愛い思い出話をしてたらあっという間に門に着いちゃったね」
「最悪過ぎる…。聞きたくなかった…」
「ほーら。いつまでも恥ずかしがってないでシャキッとしなさい」
「誰のせいだよ」
「うんうん、お姉ちゃんが意地悪しちゃったね。まあ全部ホントのことだけど。
それでここからが本題。キルは外に出てやりたいことある?」
「…まだ決めてない」
「そっか。ならハンター試験を受けてみたらどう?」
「ハンター試験?」
「そう。ハンター証はあれば便利だし腕試しって意味合いも込めてオススメしとくよ」
「ふーん…考えとく」
いや待てよ、今年のハンター試験はイル兄も行く予定だったっけ…。なんか仕事でいる的なこと言ってたような気がしてきた…。
「じゃあ行ってくる。またな、なまえ姉」
「いってらっしゃい、キルア」
………あとイル兄とバッティングしたらごめんね!
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