掃き溜めト鶴
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「思ったんだけど、なまえちゃんって金髪が好きなの?」
「───は?」
「だってサンジキュンも、この前二人で話してたイワ様の客人も綺麗な金髪だったでしょ?」
「いやいや、ないわ。片や海賊、片や革命軍だよ?私相手は平々凡々な一般人って心に決めてるから。いやマジで。
イワンコフさんの客人である革命軍の人は前に助けてもらったことがあるからお礼言っただけだし。
何より海軍、海賊、革命軍は付き合ったらいけない男3Kだから。
好きなのは金髪じゃなくて、私の老後に変わりない平穏をくれる人だわ」
「なまえちゃんってば夢がないわぁ」
「夢で食っていけるなら苦労しない」
「もう、せっかく女の子に生まれたんだからもっと乙女を満喫しないと」
もう乙女って歳でもねーよ。20歳っつったら十分大人だから。人生計画しっかり立てとかないと、この国じゃいつ道を踏み外すかわかったもんじゃない。
まあカマに囲まれて生活してたらまともな出逢いもないから、今のとこ必死に恋することなんて有り得んな。
ちなみにお察しだろうが以前ドレスローザで助けてくれたイケメンのお兄さんは革命軍だったらしい。あとイワンコフさんも。今はこのカマバッカ王国が革命軍の本拠地にされてるらしく、ちょっと本気で引越しを考え始めたところだ。
「でも二人きりで話してたってことは進展あったんじゃないの?」
「やだ、ホント!?なまえちゃんの恋バナを聞ける日が来るなんて…!」
おいそこ、勝手に盛り上がるな。何度も言うが革命軍相手なんざ絶対ごめんだぞ。
私の理想は金持ちで、性格が良くて、社会的地位も確立していて、博打をしない、顔面偏差値が中の下~中の上な、夜の方面は男として枯れ始めた初老のジェントルって決めてんだよ。
…なにそのこれだからなまえちゃんはって顔は。どいつもこいつも揃って同じ表情しないでくれる?
「じゃあ、あたすが例の彼狙っちゃおうかしら」
「はあん?アタシだって目を付けてたのよ!」
「私が先よ!」
わあ、革命軍の人モテモテだね。相手は全員濃いカマばかりだけど。
というかこいつら、そんな誰のターゲットかなんて喧嘩するくらいなら初めから私に薦めないで欲しいわ。
「こうなったら拳で決めるしかないわね」
「そのようね」
誰が勝ち残ろうがほぼ100%フラれるのに一体何の権利を争うっての。頼むから私の家でドンパチ始めないでくんない?お前らが暴れたら絶対家が壊れるから。
「あー、ちゅうもーく」
声を上げてみたが誰もこちらを向かない。完全に臨戦態勢だ。
「今日の午後に革命軍の人たちが会議するとかでお茶係をイワンコフさんから頼まれてたんだけど、代わりにやりたい人は挙手ー」
先程のスルーはなんだったのか、全員がビシッと腕を垂直に上げる。おいさっきの言葉は聞こえてたくせにわざと無視しやがったな?
「人手がいるみたいだから喧嘩せず皆で行ってきなよ。そんだけ人数いれば大丈夫だし、私はサボるから私の分もよろ」
その言葉を聞くや否や、うぉぉぉおお!と部屋の大部分を占めていたメンツが城に向かって走ってく。素が出てんぞー、素がー。
ふう、やっと静かになった。さあて、昼寝でもするかな。
恋愛も憧れるけど、私はいつだって平和第一ですので。今はまだあのカマ共と戯れてるので十分かな。それが一番楽しいし。もちろん、革命軍の旗色が悪くなったら巻き込まれる前にこの国から逃げるがな。
今の幸せと、まだ知らぬ未来の恋人に思いを馳せながら瞼を閉じた。
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