ハキダメの鶴
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「なまえちゃあん、今日はショッピング行きましょ!」
「今日は、ってか今日もじゃね」
「女の子はいつだって買い物が好きな生き物なのよ」
「女の子…?」
「なぁに?」
「いや、うん、そうだね」
ドレスローザに滞在してそろそろ1週間くらいになるだろうか。
この国に来るまでの道のりでも大分寄り道したってのに毎日のように
あとこの国の名物とでも呼べるオモチャ達だが、大きな声で言えないけどチグハグな気がしてなんか気持ち悪い。どうしてこう思うのか、自分でも分からないから尚更だ。
そんなこんなで私はいい加減カマバッカ王国が恋しくなって来たのだが、帰るにはこのカマ共もなんとか説得しなければならない。はーぁ、お家帰りたい…。
「ねえねえ、このシフォンスカートどっちの色が似合うと思う?」
「あー…白?」
「やっぱりー?アタシもそう思ってたのよォ」
「ちょっとずるいわよ。あたすのも選んでちょうだい!」
「えぇ!?それなら私のも!」
可愛らしい服が並ぶレディース物のブティックだが、この一角だけ異界だ。そしてその異界を作り出す人達に囲まれている私。やだねー、逃げたいねー、知らない人のフリしたいねー。
さすがに同類だと思われたくないから少し休憩と言って店の外に出る。
皆のことはもちろん好きだよ?でもさ好きだからと言って一緒にいたいかと言われるとそれはまた別の話じゃん?
カマバッカ王国なら周りは全員オカマだから構わないんだけど、国の外では数人集まってるだけで注目を集めるし。うーん、自由行動がしたい。
皆の買い物が終わるまでポケーっと店の入り口に突っ立って待っているが、如何せん暇だ。だがしかし私が1人で行動しようものなら
ってあれ?今通ったオモチャの馬の背に乗ってたのって片方サンジさんじゃね?あからさまな付け髭はカマバッカ王国にいた頃のつけ毛縦ロールを思い出すなあ。
それにしても彼もこの国に来てたんだ。盛大なお別れをした割に再会が早すぎる。まあ再会と言ってもこちらが一方的に発見しただけだけど。
「お、ま、た、せ。どう?アタシ達、一段と魅力的になったでしょ?」
「ああ、うん」
服装が変わった以外の違いがさっぱりわからん。服を着替えた程度で魅力値は上がんの?…服の効果ってすごいなぁ…。私にはスカートがよりミニになって破壊力が増したようにしか見えないけどね。
「そういえばさ、サンジさんってドレスローザに来る可能性ある?」
「サンジキュン?なまえちゃんってばサンジキュンのこと恋しくなっちゃった?」
「いや別に」
「素直じゃないんだからァ!
でもそうね、3つの指針のうちどれを選ぶかはその海賊団の自由だから、もしかしたら偶然来る可能性もあるわ」
「へーそうなんだ」
じゃあやっぱさっきのはサンジさんかな?…ま、挨拶はまた偶然会ったらでいっか。探すのダルいし。
「さあ!次の店に行くわよー!」
「まだ行くのかぁ…」
「ドレスローザ中の店を回りましょ!」
「そうね!帰る頃にはきっと誰もが振り返らざるにはいられない乙女に変身してるはずよ。キャー!!」
……元気すぎるのも考えものだねえ…。
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