3話
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先日委員長決めとか何やらあったけどやる気は皆無だったので、眼鏡の人が委員長になって、へー…ポイねぇ、で終了。
今日は救助訓練で先生が三人体制らしい。その中の一人は相澤さんだし、こりゃ適当なことしてたら夜がお説教タイムになるぞ…。
訓練場までのバスで以前ヒーロー基礎学で殴ってしまった男子の隣に座ることとなった。うーん、気まずい!と思ったらいつの間にか隣で寝てる。この騒がしい中よく寝れるなとある意味感心する。結局訓練場に着くまで彼の目は閉じたままだった。
訓練場に着き、宇宙服のようなコスチュームを着たヒーローから説明を聞いて、相澤さんが訓練内容について話そうとした、その時だった。
広場の噴水の辺りから黒いモヤが発生して、それを見た相澤さんの纏う空気が変わる。
「一かたまりになって動くな」
相澤さんが叫ぶ。あれは敵だと。再び動くなと指示が下される。判断に困った時は指示に従う。動くなと指示された以上私はその指示に従わないといけない。
ネズミが定めたルール。それを守ってるうちは私は普通に生きていられる。もし破ったら、その時はヤバい人達が入ってるような施設にポイッてされる可能性大。それだけはマジ勘弁。
というわけで私は今動いちゃいけない。黒いモヤの敵が目の前まで迫って来ていても命令形で指示されたのでピタリと動かずにいる。これで怪我したら後で相澤さんに文句言ってやろう。
黒いモヤに包まれたかと思ったら一瞬の間に倒壊ゾーンにいた。ワープの個性だろうか。
同じ場所になんかよくキレてる人と赤い髪の人が移動させられている。あとは何人もの敵がわらわらと。
敵の一人が棘の生えた拳を私に向かって振りかぶる。それでも動かずただそれを見ていると一緒に移動した一人がその敵を爆破する。爆破の人ね、大丈夫覚えた。
「何やってんだテメェは!!」
「? だってさっき動くなって言われましたし」
「さっきと今じゃ状況が違ぇだろうが!敵をぶっ殺すことだけ考えてろ!」
「殺しちゃダメだけどな!」
爆破の人の言葉にに赤髪の人が付け加える。
ここに相澤さんはいない。で、さっきの指示はあの場所でのこと。つまり今は彼らの指示に従うべき?…私じゃ判断出来ないしそれがいいかな。怒られたら彼らに責任押し付けてしまおう。
指示が停止から制圧に変更されたので、手早く同じ室内にいた四人の敵を即沈める。んん?弱くない?おかしいな。
普通と言ったら平均レベルって事だよね。なら普通の私に速攻で倒されたこの人達は実はめちゃくちゃ弱い?よく敵を名乗れたなあ。
「はっや…」
「下の階で物音がしたからまだいると思いますよ。ささっと制圧してしまいましょう」
「俺に命令すんなや」
若干面倒な性格の爆破の人の言葉はスルーして階下へと向かう。その階の敵も三人で対処したから瞬殺だった。
爆破の人が黒いモヤに用があるらしくそちらに向かうと言うのでついて行くことにした。ここじゃ誰からも指示もらえないし。
敵の主力に合流する直前、クラスメイト二人がボロボロの相澤さんを運んでいるのを発見した。
「すみません、私あちらに行かせてもらいます」
敵に向かって走り出した爆破の人と赤髪の人にひと声掛けてから離れ、視界の端に映った脳ミソ丸出しの敵に僅かな違和感を感じつつも相澤さんの怪我を確認する。うっわ、これヤバくないか?どこがって言えないくらい全体が。
私が抱えます、と小柄の二人から相澤さんを引き取る。というか指示されてないのに動いちゃった。いやでも指示を受けるのは判断に困った場合、だから大丈夫な、はず。相澤さんを安全な場所に運ぶべきだと自分で判断したし。
敵の主力を放置でこっちに来ちゃったから悪い子認定されないか心配だけど、オールマイトって強いらしいし大丈夫大丈夫。うん、私、悪くない。
教師陣が現れ、オールマイト達が敵を撤退させて、無事解決とは言いづらい結果ではあるけど状況は落ち着いた。
「苗字さん」
「ヒェッ」
ネ、ネズミ…。いや今回私は最後以外指示に従ったから悪くない。きっと、多分、おそらく。
「相澤くんのことだけど、後で病院の方に行ってもらっていいかい」
「アッハイ。……それだけですか?」
「それ以外に何かやらかしたのかい」
「イイエ、ナニモ」
ネズミのくせして威圧感がすごい。ホントもうこのネズミ嫌い…。
学校帰りに病院まで様子見に行ったら相澤さんは既に目覚めており、一緒に家に帰った。一日くらい入院しとけよ、と心の底から思ったのは黙っておこう。
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