12話
夢小説設定
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今日から寮生活が始まる。相澤さんが寮を案内してくれた後は各々が自身の部屋を作成することとなった。私の部屋割りは2Fの角部屋だ。
と言っても私に荷物など大してなく、相澤さんの家から持って来た私物といえば、服を除けば学校かトレーニングに使用するものくらいだ。
「相澤先生、私特にやることがないので手伝えることありますか?」
「部屋は」
「? 私の私物はダンボールから出す必要のないものが多いのでクローゼットに入れれば終了するから時間はいらないかと」
「言ってなかったがミッドナイトに頼んで物を買い足してる」
「えっ」
「むしろ今までが何も買わなすぎだと怒られたくらいだ」
「でも私は別に…」
「いいから部屋に言って確かめてみろ。俺の方の手伝いは不要だ」
「わかりました」
そうして部屋に行ってみると本当に物が増えてた。送ったダンボールは一つだったのに、部屋には六つもダンボールが積み重なってる。
これは、気合い入れて片付けを開始しないといけないな。
時間はあっという間に過ぎて夜になった。部屋は無事片付いたが、今日の分の日課が全然出来てないことに気が付き、少し遅い時間ではあるけど筋トレを開始する。
半分くらいが終了したところで廊下が騒がしくなり、入口からノックと名前を呼ぶ声が聞こえた。汗をかいた状態で出迎えるのはどうかと迷ったものの、今後共同生活をしていくなら似たようなことはあるか、とタオルだけ被りドアを開ける。
「どうかされましたか?」
「あっ、ごめん!まだ作業中だった?」
「いえ筋トレをしていただけなのでお気になさらず」
「お部屋披露大会をしてて苗字さんの部屋にも突撃させてもらいました!」
そう言う彼女の後ろにはずらりとクラスメイトが並んでいる。面倒だし断ろうかな。…あー、でもオールマイトから交流とか協調性とか言われてんだよなー……。仕方ないか。
「どうぞ」
出来て間もない部屋へクラスメイトを招き入れる。
「わぁ!なんか大人っぽい!」
「カッコイイ!」
なるほど。ならその感想は感謝と共にミッドナイトに伝えておくとしよう。
「ちょっと疑問なんだけど、こっから半分はモデルルームみたいな部屋なのに、なんでこっち半分はジムが形成されてるの?」
「トレーニング用品が置かれている側が私の私物で、もう片方は知人の方が全て選んでくださった物なので」
「私物これだけ!?」
「はい」
「俺はいいと思うぜ!男らしくて!」
「どうも?」
いやまあ性別学上は女なんですけどね。
その後も部屋王決定戦をするとからと誘われたのだが、時間的にシャワーを浴びて寝たかったのでそれはお断りした。
そして翌日。慣れぬ天井に少し戸惑いながらも起床する。しかし寮に移ったからといって朝のトレーニングがなくなるわけでもない。
柔軟、ランニング、筋トレを終えて、シャワーで汗を流し食堂へ向かう。そういえば朝食や夕食をどうするのか確認してなかったな。
冷蔵庫の中を確認してみるが、昨日は各自が部屋で軽く済ませたのでこちらの冷蔵庫の中身はない。出来るのは米を炊くくらいか。全員分ともなると何合だ…?
「おはよー…」
炊飯器を複数台使用して炊いたご飯を塩むすびにしていると、ぴょこりと重力無視の寝癖をつけたまま浮遊の人が共同スペースへと降りてきた。
「おはようございます。朝食は材料かなかったので、塩むすびでよろしければ出来ていますよ」
あと炊飯器一台分のご飯が残っているので台所に立ったまま机を指す。
「はーい……って一人で作ってくれてたん!?言ってくれたらよかったのに」
「たまたま時間が空いてたのでお気になさらず」
「うわぁ、ごめん!でもありがとう!」
ぐっ、お礼にはまだ慣れない。ニコニコと笑う彼女とどうも目を合わせづらくて、急いで残りのご飯を握り、完成した塩むすびにはラップをかけて、学校の支度があるのでと部屋に戻る。
交流を深めれば慣れるんだろうか。…慣れるのか?これ。
今後に不安を抱きつつも、寮1日目の朝は他のクラスメイトに出会う前にさっさと寮から出て登校した。
あ、自分が朝食食べ損ねた。
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