バンシーと交流会
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※禪院家の人間ですが、直哉が高専の京都校に通っています。
※※呪術廻戦16巻発売前に書いたので直哉の年齢に齟齬があります。
原作→五条の一つ下
この短編に限り→バンシー主の一つ上
今後の話では原作の年齢に合わせ書かせていただきますので、ご了承ください。
団体戦の開始の合図と共に玉犬を走らせ、鵺に捕まり空へと上昇する。
団体戦と言ってもこっちは1人なわけで。1対6の状態になってる。京都校の人達は舐めてんのかとすっごい怒り心頭だったけど、取り敢えず泣きながら夜蛾先生を盾にしておいた。私だって出来るものなら出たくなかったよぉ…!うぅっ…。
6人の内2人は兄さんと直哉くんだし。どっちもフォローしてくれないし…!元々期待してなかったけどねぇ!
呪霊を祓うのなんて心底嫌なんだけど、今日ばかりは我慢するしかないんだろうか。だって直毘人おじさんのあの様子だと養子の案はとっくに流れて婚約させられそうなんだもん。
別に直哉くんが心底嫌い、というわけではない。両親や兄とは違い、直接何かされたこともなく、せいぜいいつも言い合う程度だ。
でもはっきり言って結婚相手に直哉くんはヤダ!禪院家とかそういうの全部抜きに考えても何十年も添い遂げるとか絶対無理。会えば大体売り言葉に買い言葉だし、男尊女卑が頭にこびりついちゃってるし。夫婦仲が険悪になる自信しかない。結婚しようものなら多分いつか殺し合いが始まるよぉ、マジで。
つまり私はこの交流会で良い結果を残すしかないということだ。
幸いなことに索敵に秀でた式神がいる分、人数で劣っているのはカバー出来る。京都校全員を戦闘不能にすれば呪霊を祓う必要はないんだけど、6人を探している間に呪霊をすべて祓われては本末転倒だ。
個人的には全員で私を潰しに来てくれると楽で有難いが、私の実力を知ってる兄さんがいる以上それは望み薄。敷地の範囲からしてバラバラで動くか、ツーマンセルがいいとこ。
呪霊をマークしつつ、京都校の人達を倒していって、呪霊が残り少なくなったらいい加減祓う覚悟を決めないと。
鵺の足に掴まって上空から呪霊を探しつつ、京都校の人を見付けたら無力化する。今のとこ京都校の人は2人潰した。
呪霊の総数は分からないけど玉犬が遭遇して匂いを覚えたのが3体。それはまだ祓われていないから余裕はある。
その余裕もあってか、なんかお腹減ってきちゃったな、なんて呑気なことを考えていると、下方から射られた矢が眼前まで迫ってきた。
咄嗟に箆を叩き折り、射線を辿って急降下する。相手は撤退を計っていたけど、走るだけと上空からの下降では私の方が速い。
「よかったぁ、2人組なんてラッキー…って兄さん?」
京都校の残り半分が来てくれたと思ったら、片方は兄さんだった。ちょっとビックリ。兄さんだけは最後まで私から逃げると思ってたのに。
「っ、おい、早く逃げるぞ」
「いや。どうせなら僕達が彼女を倒せばいいんじゃないか?そうすれば団体戦は京都校の勝ちだ。
絢斗が以前はよく言っていただろう。妹は術式を継いだだけで実力の伴わない恥晒しだと」
「それは…っ」
えぇ…兄さんってばそんなこと言い触らしてたの?そういうの後々自分が恥ずかしいことになると思うけどなぁ。
それで、兄さんと組んでる人見たことあるかも。多分御三家の…五条もいる集まりに私は行ったことないから、加茂家の人間だと思う。なるほど、さっきの矢はこの人か。
御三家ってのは相伝の術式は基本他家にも知られてる。お互いに手の内を知ってるからこそ、勝敗は術者の力量次第だ。
「あのぉ…提案なんですけど、出来れば降参して欲しいなぁ…なんて」
「ふざけているのか、君は」
「うぇっ!?睨まれてる!なんでぇ…!?」
禪院家の人間は適当に扱っても構わないって認識があるから強めに出れるけど、大して仲良くもない人相手だとビビってしまう。現に涙が滲んできた。怪我させないように一応親切心だったのにぃ…。
睨まれてるの怖いしさっさと終わらせようと、加茂さんの蹴りを避けて鳩尾に拳を入れる。御三家なら結構強いんだろうな、と思って強めに呪力を込めたのだが、骨は鈍い音を立てて、数十メートル先までその勢いで木々をへし折りながら吹っ飛んでいった。
え…?え!?…さすがに上手く急所は避けると思ったのに…。し、死んでないよねぇ!?
「うそ、だろ…。憲治は赤鱗躍動でドーピングしてたのに…」
「え、あれだけで…?加茂家の術式にしてはお粗末すぎるような…いや、やっぱ今のナシ。なんか多方面から恨み買いそうな言葉な気がしてきたぁ…」
「なんで…憲治の動きについていけたんだ」
兄さんが警戒心ビンビンにこちらへ問い掛けてくる。うーん、憲治ってさっき吹っ飛んだ加茂さんの名前かな?呼ぶ機会はないだろうけど。
「なんで、って言われてもなぁ…。強いて言うなら、
「っ!!」
その一言で完全に戦闘意欲を失ってしまったのか、私に背を向け加茂さんのいる方向へ怯えたように走り出す。そんな兄さんは隙だらけで、取り敢えずパパッと気絶させといた。
ちなみに加茂さんはボロボロで足とか変な方向に曲がっちゃってたけど生きてた。良かったぁ。
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