バンシーと婿入り
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※本誌138if
「あのぉ、内容的に私呼ばれる必要ありました?一応今は高専の上層部の人達を皆殺しにしかけて謹慎中なんだけどぉ」
直毘人おじさんの遺言が発表された厳かな空気の中で、緊張感の欠片もない自分の声が響く。黙っててもよかったんだけど、この人達の為に空気読んであげる必要もないかな、と。
「ええ、まだ続きがありますので。
尚、禪院なまえが当主につく意志がある場合につき、上記を破毀し、如何なる理由があろうともその者を当主とする」
「…ん?んんん?」
「なまえ様を当主とする場合であっても伏黒恵を禪院家に迎え入れることに変更はなく、なまえ様の婿として扱うよう決定しております」
「むこ…?婿ぉ!?」
いやいやいや!おかしくない!?直毘人おじさん死に際で頭イカれてたんじゃないの!?当主云々もだけど婿って…!
無理!普通に考えて犯罪じゃん!恵くん15で、私29だよ!?しかも後輩の教え子!
「なまえ様との婚姻は伏黒恵を当主と据える場合にも適用されます。伏黒恵が18になりましたら婚儀を執り行います」
「はい!前半はさすがに公序良俗に反すると思います!」
「誓約状にて記されたことですので」
誓約状って…つまり発端は直毘人おじさんじゃなくて甚爾さんか!何考えてんの、あの人!?自分の息子の結婚相手に一回り以上も上の奴選ぶとか!別に養子縁組だけでも問題ないはずなのに、なんで婿入りなんて考えたんだ…!
確かに直哉くんみたいな反対する輩も多いだろ、うけ、ど……あ、そういうことか…!あの人、私を恵くんの盾に使う気でそんな条件にしたんだな!?
「その婿云々はどうでもええ。なんでその禪院の恥晒しが望めば当主になれるんかの方が重要やろが」
大事でしょうが、結婚相手は!
しかも五条くんの教え子だなんて、五条くんが戻った時に何を言われるか分かったもんじゃないんだよ!?うぇぇん、なんつーモン残してくれてんだよぅ…!
「そしてなまえ様には直毘人様より個別の言伝が」
「…個別?」
今度は何?もう許容量オーバーなんだけど。
「いつまでも隠し通せると思わぬようにとのことで」
「───」
私の隠し事で直毘人おじさんがそこまで言うのなんて一つしか思いつかない。
兄さんはもちろん言うはずがない、ってことは、甚爾さんが喋っちゃってたのかぁ。しかも本人も死んでるから呪い殺そうにも殺せないじゃん。
「まあそうだよねぇ、今後も絶対にバレないっていう保証はないかぁ…」
よく今まで追求されなかったなぁ。いや、この3人の前で私が隠し事してるって言った時点で最悪のタイミングの追求だったわ。
「よし、決めた。当主、なるよ。で、この場合はもう私は当主なの?」
「はい。前当主直毘人様ははお亡くなりになり、貴方様は意志を示されましたので、今この場より禪院家当主は禪院なまえ様でございます」
「そっか、じゃあ…手始めに高専の上層部の奴らの要請全部ナシね」
「…は?」
「第一に五条くんが封印された獄門疆の奪取と解呪、硝子ちゃんの保護。第二に夜蛾先生の死刑阻止。あ、伊地知くんも危ないかもだから拉致っとこう。第三に五条くんの教え子達の捜索並びに安全確保かなぁ」
「そんなめちゃくちゃな言い分が通るわけ、」
「通すんだよ。仮に上層部が私を始末しようとしても無駄。私を殺すならそれこそ五条くんレベルじゃないとねぇ。
直毘人おじさんは私に制限をつけなかった。これからの禪院は私が決める。だから、黙って私に従って?」
へらりと笑って首を傾げる。禪院当主なんて最悪だけど、やりたいことが多すぎて人手が足りないと思ってたんだ。
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