ねえバンシー泣かないで
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〜♪〜♪〜♪、
「はぁい、もしもーし」
『あ、なまえ?』
「…ピーという音の後にお名前とご用件を、」
『はあ?』
「ぴぃっ、!」
『ちょっと高専に来てくれない?というか来い。どうせ暇でしょ。留守電だから予定も聞いてあげられなくて申し訳ないけどね。そういうことで、じゃ』
悪魔からの呼び出しコールぅ…。ちゃんと名前を見てから出るんだった…。申し訳ないなんて欠片も思ってないよあれ、留守電じゃないって気付いてるくせに。
にしても高専か。帰るのは久々だなぁ。硝子ちゃん元気かな。
高専に到着し、早速硝子ちゃんに会いに行きたいところだが、私を呼び出した五条くんのところへ先に行かないと機嫌を損ねてしまったらまずい。正直五条くんって拗ねたら面倒だし…。本人の前で直接言ってしまうと絶対キレるけど。
仕方ない。まずは可愛さ余って憎さ百倍な後輩に会うとしますか。
高専の校舎内を探して、グラウンドで五条くんを発見した。一緒にいるのは生徒だろうか。
「やほー、五条くん久しぶり。半年ぶりくらいかな?あ、これ北海道土産だよ」
「なまえさ、毎回全国どこに出張に行ってもお土産に木彫りの熊買ってくるのなんなの」
「地域によってちょっと顔が違ったり探すの大変だったりするんだよ。あと貰ったら困るかなぁって」
「いやがらせかよ。まあ高専の物置に放り込むからどうでもいいけど」
「!?」
え、君、先輩からのお土産を毎回物置に入れて放置だったの!?しかも自宅ですらなく学校!?
待って、それもし誰かが物置から大量に見つけ出したら私が夜蛾先生から怒られるのでは…?君にあげた木彫りの熊っておそらく三桁は行っちゃってるよ?……ねえ物置ってどこのやつ?男子寮?ちょっと聞いてる!?お願い、教えてよぅ!この歳にもなってお説教なんてヤダー!うぇぇん!
半泣きでペチペチと五条くんを叩くが無限に阻まれて私の手は五条くんに届かない。術式使うなよぉ…!
「説教以前にその歳になっても人前で泣く方がどうかと思うよ」
そう思うならもっと優しくして欲しい。君は口調は丸くなったけど、性格は高校生の時よりあくどくなってるよ…。
「生徒の前なのに威厳もクソもないよね」
ハッ、そうだった。一緒に生徒がいたんだった。
数人の生徒に視線をやると、知り合いにそっくりな子がその中の一人にいた。この黒髪の男の子が十種影法術を使える恵くんかぁ。あの人の面影ありすぎるねぇ。
それで眼鏡の子、多分あの子が真希ちゃんだったかな?禪院から家出したっていうなかなかの勇者ちゃん。何度か本家で見たことある程度で話したことはないけど。
口元を隠してるのがおそらく狗巻家のご子息で、パンダは学長の呪骸。もう一人の女の子は…知らない子だなぁ。
ぐしぐしと潤んだ目元を拭い、軽く自己紹介をする。
「はじめまして、禪院なまえです。真希ちゃんとは親戚だけど直接対面するのは初めてだよね?
何故か五条くんに呼び出しくらって来ただけだけど、皆仲良くしてくれた嬉しいなぁ」
「こんな見た感じへなちょこだけど、一応は一級呪術師だから」
一応ってなに?しっかり一級呪術師だよ?もう一級になってから十年以上経つからね?
生徒達は一部が驚いたように目を丸くする。私ってそんなに弱そうにみえるのかな…。
「これから暫くなまえが皆のこと鍛えてくれるから」
「!? あの、五条くん?私それ初耳なんだけど…」
「そりゃ今言ったからね。事前に言ってたら来なかっただろ」
「だってこの時期って交流会に向けて鍛えてるんでしょ…?君に協力したら東京校に肩入れしたって歌姫さんに怒られちゃうかもしれないじゃん」
「ふーん。で?」
「でぇ!?」
他人事すぎない君!?いや他人事なのは確かだけど。やだよぅ、私。
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