居眠りバンシー
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俺と傑と硝子の三人で任務を終わらせ、高専へと帰ってきた。全員怪我もなかったので報告だけ済ませ、寮へと戻る。特に約束をしたわけでもないのに、俺らの足は自然とラウンジに向かう。
ラウンジに到着して、ぐるりと見渡したが誰も見当たらない。
「なまえ先輩がいないのは珍しいね」
「硝子、寂しがんなよ」
「は?んなわけないでしょ」
揶揄ったことでイラついた硝子に脛を蹴られたが無限で防ぐ。なまえに関することに対しては暴力的になんな、コイツ。
にしてもなまえがいないのは本当に珍しい。なまえは今日任務は入ってなかったはずだし、そういう時はいつもここで俺らの帰りを待ってる。そういや毎度律儀に出迎えるものだから、ついここに寄るのが習慣づいてたわ。
「なまえ先輩から連絡来てる奴いる?」
「私にはないね」
「俺も」
用事があったにしても誰にも告げずにいないなんてのは少し疑問に思うほどだ。ちょっとだけ離れてるってのがまだ可能性高いか。
「ま、なまえのことだし、その内来んじゃね?」
取り敢えずソファで寛ぎながら待つつもりで近付けば、肌色以外が黒い物体がソファの上で丸まって寝息を立てていた。
「あ」
思わず声を出すと、俺の後ろから傑と硝子がソファを覗き驚いたような顔をする。それもそのはず、なまえが寝ている姿を見るのは初めてだ。何度も部屋に泊まってる硝子ですら一度も見たことがないと言ってたほどだからな。
「なまえ先輩が寝てるって超レアじゃん」
そう言った硝子の携帯からシャッター音が鳴る。前から思ってんだけどアイツの携帯のフォルダ、なまえの写真で埋まってんじゃねえの。
「硝子、後でその写真送っておいてくれ」
「俺にも」
傑に便乗した俺の言うことでもないけど。
「よし。写真も撮ったことだし起こす?」
写真撮る為に起こさなかったのかよ。このやり取りの間もなまえは全く起きる気配がない。
「…つかこれ、ホントに寝てんの?俺らずっと話してんのに無反応じゃん」
「それは、確かに」
もしかしたら狸寝入りじゃねえのか、と確かめる為に、ソファの背もたれ側に立っていたが正面に回り込みなまえの顔に手を伸ばす。
そして目尻に触れた瞬間、視界が反転した。
「な、」
「………」
押し倒された状態で鋭い眼光に貫かれ、思わず息が詰まる。
「誰。……あれ、ごじょーくん…?」
俺のことを認識したのかぼんやりとした表情に変わったが、まだソファに倒された俺の上に馬乗りになったまま動かないなまえ。
なまえの体術は腹立つくらいずば抜けてる。悔しいことにそのスピードに反応出来ず術式も発動してなかった上に、しかも今の状況にもついていけない。
「んー…?」
なのになまえの方がよくわかってないみたいな顔して、俺の上から退くことなくペタペタと顔に触りだした。
「っ!?おい!」
「ふふ…髪さらさらー…。五条くん、かわい…」
髪を梳いたり、耳を軽く引っ掻いたり、首筋を撫でてみたり。なに?俺こんな場所で理性でも試されてんの?
脱出しようと試みたが、脚も両手もいつの間にか固定されている。しかもなまえの片手で俺の両手を掴んでる状態だ。なまえより非力とか有り得ないのに一向に拘束は外れない。
「なまえ…っ!は、な、せ!」
「はなす…?はなす…離…?………ん!?」
やっと覚醒したのかガタガタと音を立てながらなまえは床へと転がり落ちていった。
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