バンシーは年下がお好き?
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「と、いう訳で悟が呪詛師の術式で子供になった。いつ戻るかは不明だ」
「〜〜〜!?!?!?」
「なまえ先輩、生きてる?」
「語彙力は死んでるだろうね」
「っ、っっ!!〜〜!」
「五条一旦隠せば?」
「その方が良さそうだ」
硝子ちゃんの言葉を聞き、夏油くんが小さくなった五条くんを自分の背中に隠す。
「なんて…」
「え?」
「なんていう、ご都合術式…!」
「あ、そう」
「小さい!可愛い!」
「中身は悟のままだよ」
「許せる!」
声を出せるようになったので夏油くんの後ろに回り、五条くんを撫で回す。はー、可愛いなぁ。ちょっと生意気そうな見た目もこれだけ可愛かったら美点の一つに変わるねぇ。
「なまえうっざ」
「うんうん。良い子だねぇ」
五条くんの脇に手を差し込み持ち上げてグルグルと回る。何度か腕に向かって蹴りが入ってるけど、その程度の抵抗なら可愛げってことでいくらでも許せる。
「先輩ってそんな子供好きでした?」
「いやあんまり」
「じゃあなんで五条のこと可愛がってんですか?正直中身が元のまんまなんで後で痛い目見ると思いますよ」
「そうなんだよねぇ。でもその覚悟はあるよぉ。
五条くんに限らず、硝子ちゃんや夏油くんが小さくなったとしても、これでもかってくらい可愛がりたいな。知らない子供に興味はないけど、とっても大好きな後輩達の子供の時は見てみたくあるからねぇ」
「…そうですか」
私の言葉に少し照れたのか硝子ちゃんはそっと視線を逸らす。やだ、硝子ちゃん可愛すぎる。うちの後輩達って普段の言動はさて置き、天使だなぁ。
五条くんは逃げられないことを悟ったのか抵抗を諦め、死んだ魚のような目で遠くを見つめていた。私はそれをいいことに、子供特有の柔らかい頬っぺたをプニプニと堪能する。
「五条くんに術式をかけた呪詛師ってどうなってるの?」
「現在逃亡中だ。私の呪霊に探させている」
夏油くんの呪霊が探してるなら私が手を出さずともその内見つかるだろうな。…待てよ、私が先に見つけて管理下に置けば、硝子ちゃんや夏油くんの子供姿も見れるのでは?たっぷり堪能したら戻させればいいわけだし。
「……よし、なら私も捜索に協力しようかな。下心は一切ナイヨ!」
五条くんを抱き締めながら良い笑顔でそう言った私に対して、硝子ちゃんと夏油くんの顔が少し引き攣る。そして即座に遠慮すると返事をされた。
「そんな…遠慮なんてしなくて大丈夫だよぉ?玉犬を向かわせれば捜索もスムーズ出来ると思うし」
「いや本当にやめてくれ。邪な考えが一切隠せてないから」
「……邪な考えなんて、まっさかぁ」
「今の間は何だ!?」
「ちょっと五条、なまえ先輩のこと止めろよ」
硝子ちゃんに私の暴走を抑えるよう言われた五条くんが数秒思案する。そうしてクルリと首だけ振り向き私を見上げて、とても可愛らしい笑顔でお願いしてきた。
「なまえー、おれ仲間が欲しいなっ」
「っ!任せてぇ…!」
今の笑顔、写真に撮りたかった…。突然の大ダメージに悶絶しながらも、玉犬を捜索に向かわせた。絶対に先に見つけてみせる。
同時に玉犬が発見した際にすぐ対処出来るよう、私も走り出す。夏油くん達より先に何とかしないとだからねぇ。ちなみに五条くんは抱っこしたままだ。
「なまえってこういう時は急に優秀になるよな」
「褒め言葉として受け取っとくね。ふふふ、楽しみだなぁ!」
「…俺まだ先にこの姿になってて良かったかも」
ボソリと小さな声で五条くんが何かを呟いたのは残念ながら私の耳には届かなかった。
この日から私の携帯のロック画面は、満面の笑みで3人の子供を抱き上げている写真に変わったのだった。
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