〇〇しないと出られない部屋
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『〇〇しないと出られない部屋』学生五条
目が覚めると知らない部屋の中にいた。部屋にあるモニターには「〇〇しないと出られない部屋」と書かれている。
部屋には何故か五条くんもいて、いつからここにいるのか彼は携帯をいじっている。
「ご、五条くん…?ここ、なに?」
「あ?俺が知るわけないだろクソが」
なんかめっちゃキレてるぅ!誰か、いや夏油くんはどこ!?普段は二人揃うと困るけど、今は緩衝役にいて欲しい…!
「じゃあ、えっと、この部屋って破壊出来たりするかな?」
「出来るならなまえが起きるのをわざわざ待っててやると思ってんの?」
「……私が何したって言うんだよぅ…」
うぅっ…当たりが強い…。お家帰りたい…。五条くんでも壊せない部屋とかどんな無理ゲー。
「それ」
五条くんが指差した先にポップな字で「これを引いてね」と書いてある抽選箱がある。つまりこれからお題を引けと。可愛らしくカラフルに飾り立てられた箱が妙に腹立たしい。
でもここは大人しく言うことを聞いといた方がいいかなぁ。引いたお題によってはそれを達成した方が早く出られるだろうし。
「五条くん引いてみてよ」
「これで箱に手ぇ突っ込んだ瞬間に切断されたらなまえのせいな」
「発想が物騒すぎる!というか君は無限で防げるよね!?」
チッ!、と大きな舌打ちが聞こえたけど、仕方なく引いてくれるみたいだ。五条くんの引いた紙に書かれたお題は「制服を交換しないと出られない部屋」。よかったぁ、これならまだ何とかなりそう。
「ん」
「え?なにこの手」
「先に脱げ」
「なんて嫌なレディファーストぉ…」
制服の下にズボンとTシャツ着てるからいいんだけどさ。女子に言うような言葉じゃないよ。
私が制服を脱ぐ様を特に目を逸らすことなく五条くんは見ている。背を向けるくらいしない?モラル的にどうなの君。
五条くんが問題なく着替え終え、男物の制服を渡される。
あのさ、なんでサングラス外したの?なんで膝揃えて座るの?髪を耳にかけて前髪気にし出すのやめよ?美形な君に女の子らしくされるとすっごい負けた気分になってくるから本当に止めて欲しいんだけども。
「でも五条くんよく入ったね。キツくない?」
「まあ丈は短いけど着るのはいけた。ただ、ウエストはピッタリでも胸がキツイ」
「そっかぁ…ははっ」
くるりと壁に向かって歩き出し、今の感情全部込めて力の限りぶん殴る。ドゴォォッ、と轟音が響き渡り、五条くんが無理だったなら絶対壊れないと思っていた壁に大きな穴が開いた。
「わあ!良かった、条件達成しなくとも部屋壊れたよ!」
「………」
「ごめんね?頑張れば出られる部屋だったのにウエストがピッタリで胸がキツイ制服着せちゃって」
「あー、ほら俺は男だから胸板厚かっただけで、ウエストはやっぱ厳しいような気がしてきたし… 。その、なまえ、キレてる…?」
「怒ってないよぉ。大丈夫、まっったく怒ってないし気にしてないからね?」
もう一度壁を殴りつけると側面の壁が全て崩れ、天井や床までヒビが入る。大丈夫大丈夫。何一つ気にしてないよ。
「出よっか?この部屋、死ぬほど胸糞悪いしねぇ」
「…うん」
この後、数日くらい五条くんがとても素直になった。
『〇〇しないと出られない部屋』学生夏油
目が覚めると知らない部屋の中にいた。うわぁ、デジャブぅ…。今回一緒にいたのは夏油くんだ。
「なまえ。ここって、」
一瞬にして先日の出来事が頭に浮かぶ。
「大丈夫、ウエストがピッタリで胸がキツイ制服なんて着せないから安心して」
「は?何の話だい?」
「夏油くんなら女子制服でも五条くん同様着こなせそうだけどねぇ。でも私のじゃ胸がキツイらしいから。なのにウエストはちょうどらしいから」
「一体何をイラついて…」
「というか出るのなんか余裕だし?制服交換する必要ないし?」
全力で壁に向かって回し蹴りをすれば、壁だけにとどまらず天井から崩れ出す。
ほらすぐ出られるよ。前より部屋が脆かったんじゃないかなぁ、あはははは。
「なんか笑ってるのにすごい威圧を感じるんだけど…」
「気のせい気のせい」
「もしかして何かあったんじゃないかい?」
「何も無かったよぉ。こんな部屋一切知らないし。というかここ存在するべきじゃないよねぇ。いっそのこと燃やしとこうかなぁ」
「……よくわからないけど、何も聞かなかったことにしておくよ」
今回、脱出までにかかった時間は2分だった。
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