7話
夢小説設定
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さて、ニヤニヤと私の上で悪役のような笑みを浮かべるこの先輩をどうしたものか。彼が自分の意思で退いてくれないと困るんだけど。
「──
「げぇ、アラン君!」
理石君以外のバレー部員で唯一ハッキリと覚えている黒人の先輩の登場に焦った双子の片割れが腰を浮かせる。
そして私はその空いた隙間に、躊躇なく、膝を振り上げた─────。
「多分ウチのアホが十中八九悪いんやろうけど、まだ暫くは本人が動けんやろうから俺から謝罪させてもらう。ホンマにすまんかった」
「いえ。私もイラついてたとはいえ、容赦なく急所を蹴り上げてすみません」
お互いに謝罪している間もアラン?先輩の憐れむような視線はチラチラと蹲っている先輩に向けられる。
護身術として教えられてたのだが、あれはそんなに痛いものだったのか。一向に回復しない先輩を見ているとさすがに罪悪感が生まれてくる。
「
「むり…ホンマむり……」
チクチクと良心が痛む。あっちだって悪くないとは言わないけど、手を出したのは私だけだしなあ…。
「あの、運ぶなら手伝います」
「すまん、助かるわ。俺が左を持つから自分は右を、」
「え?」
アラン先輩が何か言っている間に、双子の片割れの先輩の背中と膝裏を手で支えて持ち上げる。所謂お姫様抱っこだ。思ったより筋肉量が多いのか重いな。
「すいません、聞いてませんでした」
「……………ブフォッ」
アラン先輩はさっきまでの心配気な雰囲気は消え去り、こちらから顔を逸らし肩がプルプルと震えている。双子の片割れの先輩に至っては表情が完全に死んでいる。
何なの?支えるだけと違って抱き上げ続けるのはさすがに重いから早く先導して欲しいんだけど。いくら申し訳ないからって一人で持ち上げるんじゃなかった。マジ重い。今更降ろして手伝ってください、とも言いづらいし、さっさと運ばせてくれ。
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