5話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あれ?なまえ今日は弁当やないん?」
「今日ちょっと寝坊したからね。今から購買行ってくる」
「!? 嘘やろ…まさかいつもの弁当手作りやったとか…どんだけ設定盛り込んでくるん。ハイスペックすぎやん」
「ハイハイ、先食べてていいから」
「りょーかい」
了承の言葉よりも先に食べ始めた友子を後目に購買へと向かった。
購買に着くとその人の数に圧倒される。昼食時に購買を利用するのは初めてだけど、これは完全に出遅れた。この人混みに突撃する勇気はないから大人しく人が引くまで待っとこ。
ふぅ、と小さく溜息をついて人の被害が来ないであろう角の方に移動すると、ポケットに入れていた携帯が震え、着信を知らせる。取り出し確認すれば、画面には友澤友子と表示されている。なんだろ、アイツのことだし弁当でもひっくり返したのかな。
「はい」
『あつ、あっ、あ…!つむ、あつっ…つつむ、つむ…!!』
「あ?あつい?ツムツム?なに、フィーバーでもしたの?クソどうでもいいんだけど。
あ、今人空いてちょうど行けそう。よくわかんないけど戻ったら聞くわ」
『そうやのうて…!あ、つむせん、』
「しつこい。ツムツムの話なら戻ったら聞くって。食べてる時にゲームすんなよ」
友子の返事を聞くことなく、ブツリと電話を切る。大丈夫、アイツの話ならどうせ大したことないから、多分。それより私の昼御飯確保の方が重大だし。
無事クリームパンとコロッケパンを一つずつ確保し、教室へと戻る。
1年4組の扉の近くまで戻ってきたが、なんだか中がガヤガヤと騒がしい。チラリと中を覗けば明らかに違うクラスの女子が何人もいる。女子の人口密度が高すぎて、男子が端っこに追いやられてるんだけど。一体どうした。
友子に事情を聞こうと中に入ろうとした瞬間、ビクッと体が強ばる。なんか今入ってはいけない気がする。私の中の何かが引き返せと全力で告げてくる。………友子は後回しでいっか。中庭のベンチでのんびり食べようかな。
─────
「みょうじ帰ってこんな…。友澤、さっき電話で戻る言うてたんよな?」
「切られたけど確かに言うとった。あ、なまえからメッセ……教室に人が多いから外で食べてから戻るて」
「…まじか」
確かに先輩が来てから教室が色めき立って、入れ言われたら俺でも躊躇する。普通の女子なら喜んで近付くやろうけど、みょうじは普通の女子の枠組みとちゃうからなぁ…。
「あの、先輩すんません。探されとったみょうじなんですけど、今ここ人が多いから戻らんみたいで…」
「まあしゃーないわな。俺は今日やなくても問題ないし。
じゃあ
「探し人ですか?」
「おそらく1年の女子らしいんやけど、それ以外は顔しか知らんみたいなんやわ。パッと飯食ったら1年教室軽く見て回る言うてたんやけど……あ、来よった。
「
「いや俺は昼の教室やと人が多いから難そうや。お前の探しとる相手まず理石に聞いてみればええんちゃう?」
「あっはい!俺が知っとる奴やとええんですけど…」
「昨日ちょっと助けてもらてな、多分1年の女子やと思うんや。
背が高くて、北さんと同じかそれよりちょい高いくらいやったから175くらいはあると思うわ。髪は黒で長さは胸元。一緒に居った友達は顔見えんかったけど茶髪で二つ結びやった気がする」
治先輩の情報を聞けば聞くほどみょうじしか頭に思い浮かばん。175もある女子となると大分限られる。みょうじは髪色髪型もそんくらいで、友澤は茶髪のツインテールや。
「うーん…俺の知る限りで誰か上げるなら、侑先輩が探してたんと同じみょうじやと思うんですよね。
ちょお待って下さい。友澤!また少しええか」
「むり。理石、あたしの視界に入らんといて。今宮ツインズを全力で記憶に残しよる最中やから」
「その先輩のことで聞きたいんや」
「なんでも聞いてくれてええよ!!!」
「昨日、みょうじと一緒に治先輩に会うとったりするか?」
「? ああ、昨日なら階段で会うたよ。治先輩が階段から落ちそうになったんをなまえがサッと助けてな?あのなまえはイケメンすぎた。きっと生まれる性別間違っとるわ」
友澤に聞いた情報から治先輩が探しとるのもみょうじでほぼ確定。宮兄弟の目に止まるなんか喜ばしいことのはずやけど、みょうじの性格を考えると…災難やなぁ。
同情はするが、先輩に逆らってまで庇うつもりもなく、聞かれるままにみょうじのことを話した。
そして先輩がチラリと友澤に視線をやると、友澤までみょうじについての情報を吐き始めた。というか聞かれてへんのに体験入部のことや日常生活のことを意気揚々と喋っとる。俺以上にみょうじの個人情報バラしまくっとる友澤を見ると罪悪感も薄れていく。まだ俺は体験入部してたとしか話してへんし。
ただまあ、コイツと友人になったみょうじが憐れででしゃあないのは確かやな。
───
「ハッ、なんか急に友子を教室に置いてきたのが失敗だった気がした…!」
時すでに遅いことを放課後になって私は知ることとなる。
1/1ページ