4話
夢小説設定
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昼の購買はいつだって戦場や。特に人気商品の競争率はやばい。購買のオバちゃんはいつもよくあの人数を捌けるなって感心する。
そんな戦場を戦い抜き、今日は人気商品である焼きそばパンとカツサンド、更にはプリンまでゲットした。あとはあんパンやらおにぎりやら色々。
弁当がある日以外は購買で昼飯を買っとるけど、この一年ちょいで一番良い成果やと思う。だから少しだけ浮かれとった。
階段を上りよる途中で戦利品を何から食べようかとゴソゴソ袋の中を漁ってると、疎かになった足元が階段を踏み外す。中途半端に浮いた体は背中から階下へと傾く。
──あ、やっば。
怪我したらバレー出来ん、と一周回って冷静な判断が頭に流れつつも手摺を掴むことすら出来ずにいたが、後ろに斜めった体勢で誰かに肩に腕を回されしっかりと受け止められた。
「───っと、大丈夫ですか?」
男よりも高い声。横から俺を覗き込む顔はどう頑張っても男には見えん。俺、同学年の男子より体格ええはずなんやけど…。
問いかけに答えることも出来ずパチパチを瞬きしてると、その女子は不思議そうに俺の体をグイと元立っとった段まで引き戻した。
「足は捻ったように見えなかったんで大丈夫だと思いますけど気を付けてくださいね」
そう言って階段を下りていく。その隣に事の顛末を見ていた友人であろう女子が並ぶ。
「自分、男前過ぎるやろッ…!!クッ、トキメキが止まらん…!」
「そう?階段落ちそうになってる人がいたら誰でも助けるでしょ」
「助けようとするんと、助けるのとはまた違うやろ。あんなスマートに受け止める女がホイホイおってたまるか。自分が男ならあたしは真っ先に告白しとったわ」
「まじ?じゃあ女でよかったなー」
「どういう意味じゃコラ」
「まあでも体格の良い人だったから結構頑張って受け止めたんだよ」
「いやどこが?めっちゃ余裕そうに涼し気な顔してたやん。…そう考えたら自分どんな筋肉してん。ゴリラか」
「縊り殺すぞ」
「すんませんッ!
…ハッ、というか至近距離の治先輩どうやった!?」
「誰それ」
「だからなんべんも説明を…っっ!…いや言うだけ無駄なのはもう知っとる…」
「あと友子、誰かは知らないけど特に親しくない先輩を名前で呼ぶのはどうかと思う」
「喧しいわ!」
あ、お礼言うてなかったわ。
——————
「ってことが昼間にあった。あれは男でもキュンとするわー」
「……なんで現実でラブコメしてるん!?」
「してへんわ。
「確かに言うたけど、そんなん話されるとは思うてなかったわ。
それと付け加えるなら
「夢…夢か…?」
「本人も曖昧やんけ」
「俺のこと知らん言うてたから一年の可能性が高い。明日探してみて居らんかったら夢かもしれん」
「なら俺もついてくわ」
「来んでええ」
「俺も一年で探しとる子おるし」
「あっそ」
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「ぶぇっっっくしっ!!」
うーん、風邪かな。なんか寒気がしたし。早く寝て明日に備えよっと。
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