15話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昨日の肝試しが長引いたせいで少し寝不足だが、それ以外は問題なく仕事にかかる。
今日の練習は午前だけで、昼食に監督とコーチの奢りでバーベキューをした後、合宿所を掃除し次第解散だ。今日は朝食の後片づけ以降は洗濯も昼食の支度もなく、マネージャー業のみに専念出来る。
山田と佐藤のボケ共は昨日の夜に音を上げ、通常の練習へと戻っていった。使えねえ奴らだったわ。
「みょうじー、向こうのコートの球出しお願い出来るか?」
「了解です」
コーチに指示を出され、今からスパイク練習なのでもう一方のコートのセッター位置に入る。
最近、バレー経験者というのが勘づかれているのか球出しを依頼されることが増えている気がする。この合宿中の練習ではコーチと私が球出し、監督がそれを外から見て時折指導するというのが多かった。
もちろんボールに触れる機会が増えるのは嬉しいのだが、選手の時の私のことを知られていないかとヒヤヒヤする。何も言ってこないしバレていないと信じたい。球出しだってマネージャーの仕事の内ではあるしきっと大丈夫。……本当にバレてないよな?
余計なことを考えていると上げたボールが予想より少しブレた。
その後すぐ監督から名前を呼ばれ反射的に謝罪をする。今のは完全に私のミスだ。
「前からスパイカーの癖に合わせすぎや。もっと振らな練習にならんやろ」
「え?……あ、すみません」
注意はされたけど自分が思っていたのとは全く別の内容だった。
言われてみれば確かに人によって無意識にボールの上げる位置を変えてた気がする。気を付けないと。
午前の練習が終わり、部員達が待ちに待った時間がやってきた。
体育館の外に出るとバーベキューコンロと一緒にこれでもかというほど肉がドンと置いてある。わあ、これは大分奮発してくれてるな。
焼き始めは肉とトングの取り合いが勃発したが、北さんの鶴の一声により一瞬で収束した。
「そういえば昨日のってなんだったんだろうね」
「昨日の?」
「夜遅くなるからって解散になったけど、肝試しの時の…」
「角名ァ!それ以上その件に関して俺に思い出させたらただじゃおかんで。お願いやからなんも言わんとってください…!」
「治めっちゃ必死じゃん。どんだけ怖かったの」
「ちゃうねん、昨日の肝試しではなんもなかったんや。そんで俺は変な夢を見た。それだけや。そうよな、なまえちゃん!?」
あ、ちょっとすいません。口の中に食べ物入ってるんで今は返事無理です。もぐもぐと肉を噛みながら手でバッテンをつくる。
「待って、それどういう意味!?俺の言うことが間違っとるちゅーこと?それとも何もなかった方!?」
現在喋れないの方です。
「
「何言うとんねんアラン君!俺のどこが怖がってる言うんじゃ!」
「全部や。
それで、みょうじはホラーとか好きなん?」
今度は口の中のものは食べ終わっていたのでちゃんと答える。
「昨日みたいなのなら可もなく不可もなく、ですね。不気味だったけど実害はなかったので」
実害はないと口にした途端、宮先輩(銀)が化け物でも見るような目でこちらを見てくる。おい、それ後輩相手にする視線じゃないぞ。
「ああ、でも一つ困ったこともありました。課題通り理科室にあったペンをポケットに入れて持ち出したんですが校舎から出るとそれが消えていたのはお話しましたよね。
それで部屋に戻ってからズボンのポケットを改めて手を突っ込んで探すとペンはなかったんですけど、何故か赤いインクみたいなのがべっとりを手についてたんですよ」
興味津々に話を聞こうと周囲にいた部員がざ、っと一歩下がる。
「ほんと夜中なのにズボンを洗濯するはめになって最悪でした」
「…まさかとは思うけど昨日の夜、部屋に帰ってから一人で外の洗濯機まで洗濯に行ったん?」
「? そう聞こえませんでした?」
「この子の心臓毛むくじゃらとちゃう!?」
失礼な。インク汚れなら放っとくわけにはいかないでしょうが。結局あれ以降何も起こってないから問題なし、うん。
1/3ページ