14話
夢小説設定
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2日目の夜。今日の今日とて隣はうるさい。隣の部屋は誰だったか。
騒音に苛つきながら明日の着替えなどの準備をしていると入口からノック音が聞こえた。
「はい?」
外を確認することなくドアを開けると、二つの同じ顔。
数秒停止して無言でドアを閉めようとして、その前に二人がかりでそれを阻止される。
「なんですか、離してくれません?女子の部屋に侵入するなんて大声出しますよ」
「いやもう力が女子やない…!」
「指挟む!指挟む!」
開けようとする二人に、閉めようとする私。年季の入った扉ばギギギ、と嫌な音を立てて軋む。さすがに壊したら怒られるか。
ドアを引いていた手を離すとギャッ、と短い悲鳴を上げて二人揃って廊下に転がった。この間に戻ってしまいたい。
「で、何の用ですか?」
「嘘やろ、俺らのこの状態見てもあの態度なん…!?」
「ふてぶてしいにも程があるやんけ…」
文句が返ってきたので再びドアを閉めようとする。
「すまん、すまんて!閉めんといて!」
「はあ…。じゃあご用件をどーぞ」
「今から校内で肝試しせん?」
「おやすみなさい」
よし、これはもう無視してもいいやつだな。ドアの鍵はしっかり掛けとこ。
「みょうじ」
「あれ、理石?お前も何か用事?」
「あー…先輩らの加勢に…」
「なら話は終わったから連れて戻って」
「…冷凍庫にハーゲンダッツが入ってる。この前話してたキャラメル味のやつや」
「おい、早く準備しろ。肝試しだっけ?さっさと終わらせんぞ。宮先輩達もいつまで地べたに座ってるんですか」
まんまとアイスに釣られてやる気を出す。理石の野郎、最近私の扱い方を把握してきてやがる…。
「なまえちゃん、ちょろ過ぎるやろ」
黙れ。
昇降口前に何人か集合してる。全員でないところを見るに参加する人としない人がいるのだろうか。
「夜の学校なんてよく許可貰えましたね」
「校長室や職員室とかの重要な部屋に入らんのを条件に監督が特別に許可取ってくれたんや。一部は驚かし要員で既に中で待機しとるで」
へえ、人数が足りないのはそういう理由か。
「ちなみに北さんには断られた」
「でしょうね」
私も断りたかった。でもアイスも食べたかったので仕方ない。
くじ引きで二人一組のチームに別れ、理科室の机に置いているペンを取って戻るのがルールらしい。
周到に用意されていたくじを引くと紙には3と書かれている。
「なまえちゃん何番やった?」
返事を待たず宮先輩(金)が紙の番号を覗き込む。
「3…ちょお3番の奴探して交換してくるわ」
そう言って番号で盛り上がってる部員の中へと突撃して行った。言葉からして宮先輩(金)は3番ではなかったんだろう。というか交換したらくじにした意味。
「なまえちゃん何番やった?」
さすが双子と言うべきか全く同じように次は宮先輩(銀)が紙を見る。
「お、3番なら俺と一緒やん」
「はあー!?よりにもよって
3番を引いた人が見つからず、自分の相方らしきアラン先輩を連れて戻ってきた宮先輩(金)が駄々をこねる。
「俺に謝れ」
ごもっともだ。むしろ私がアラン先輩と回るから兄弟仲良く行って欲しいくらいだよ。
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