12話
夢小説設定
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『────もしもし』
「あ、やっと出た。お前ね、不在着信が入ってたらかけ直せっての。入学から今まで何回かかけたのにずっとシカトしやがって」
『悪ぃ、忘れてた』
…あー、くっそ。忘れてたってのが本心だろうから余計に腹立つ…。心配してたこっちが馬鹿みたいじゃん。
「で、新しいチームメイトはどうだった?」
『…まだよくわかんねえ』
「まあまだ一月も経ってないしね。特にお前は他人とコミュニケーションとるのヘタクソだし?」
『なまえには言われたくねえよ』
「あ?んだとコラ。次会った時覚えてろよ」
『もう忘れた』
「鶏頭」
『どういう意味だ、それ?』
「いや、いいわ。うん。お前に通じないのはわかってた」
『??』
「じゃあ、さ…今、部活楽しい?」
『…まあ』
「そ。ならいいや」
それが聞けたなら満足だ。コイツが中学最後の時にどれだけ辛かったのか見てきたから、それだけが気になってた。
「そういえば私も部活入ったんだよ」
『女バレはないんじゃなかったのか?』
「ないよ。私が入ったのは男バレ。男子バレーボール部のマネージャー」
『……………はあ!?』
「うちの高校ってバレー強豪校で全国大会常連らしいからそっちも勝ち進んだら当たるんじゃない?」
『待て、男バレってどういうこと…』
「あ、ちょっと呼ばれた。また電話するわ」
『おい!』
「じゃ、またね。─────飛雄」
─────
「なまえちゃんは校内合宿来るんやろ?夜はトランプやらへん?」
「来ますけど私、10時には就寝なんで」
「はや!?小学生やないんやから」
「一緒に夜更かししよーやー」
「じゃあ宮先輩達が一緒に朝食作ってくれるんですか?」
「すんませんでした…」
「ご飯は大盛りでお願いします…」
「ご飯くらい各自でよそえよ」
「なまえちゃんがよそって手渡ししてくれた方が作ってもらった感あるやんか」
「知るか。あとなまえちゃん呼びやめてもらえます?」
「ええやん。オカンかてなまえちゃんて呼んでんのやから」
「自分達が宮さんと同じ土俵だとでも?宮さんのお腹の中からやり直してください」
「そこまで!?」
最近宮兄弟の絡みがウザい。ベタベタ引っ付いてきやがって、親戚の園児を相手してる気分だわ。
更には先日なんて角名さんからデカい子供が二人もいて大変だね、って言われた。宮さん夫妻には失礼だが、私はこんなガキ共いらん。
そして遂にバレー部全員の名前を覚えた。入部から一週間。覚えるまで長かった…。ついでに呼び方も他の人に合わせて〜〜さんってふうに変えた。
ただアラン先輩と宮先輩達のみ特別枠で先輩呼びだ。アラン先輩は…まあ、なんとなく。苗字で呼べばさん付けでいい気もするけど、アランの印象が強すぎて苗字がちょいちょいド忘れするんだよね。
宮先輩に至っては、宮さんと被るので強制的に先輩呼びが決定してる。ぶっちゃけると双子の名前がどっちがどっちか把握出来てない。二人同時に呼べて楽な上に、宮先輩(金)、宮先輩(銀)で通じるからいっかと早々に諦めた。本人達から苦情が来るものの覚えられないものは仕方ない。
にしても校内合宿か…。中学の時は寮から校舎が近かったから校内合宿なんてなくて、学校に泊まるなんて新鮮だ。
家が遠くないし女子なのだから帰った方がいいんじゃないかとも聞かれたけど、それは丁重にお断りしておいた。だって食事の用意もするならわざわざ家に帰る方が面倒じゃん。
今週末のGWに迫った合宿。自分がプレーするわけでなくとも朝から晩までバレー漬け。ああ、楽しみだな。
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