8話
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「あ、なまえ。おはよ、」
「辞世の句を聞いてやろう。何か言い残すことはあるか」
バレー部と関わってしまった日の翌朝、呑気に昨日のことがなかったかのように挨拶をしてきた友子にアイアンクローをかけつつ慈悲深く最期の一言を聞いてやる。
「い、イケメンは至高!!!」
「はい、死刑」
ブレないな、コイツも。
朝から教室でギャーギャーと騒ぎ立てていたら、理石クソ野郎が登校して来た。もう理石に君だなんて敬称をつける気はサラサラない。理石で十分でしょ。
「おい、理石。ちょっとツラ貸せ」
「みょうじ…ガラ悪いで」
「お前が言うか?」
「いやーそのー…」
「みょうじなまえって居る?」
理石に食ってかかていると教室の扉から女生徒が数人現れ、私の名前を呼んでいる。初々しさが欠片も感じられないので上級生だろうか。
「はい。私ですけど」
「…ふーん。ちょい顔貸してくれん」
さっき理石に言った言葉が自分に返ってきた。上級生にいちゃもん付けられる覚えはないんだけどな。
「HRが始まるんで無理ですね」
「は?1年が口答えすんなや」
正論でお断りすると、先輩方の機嫌が一気に悪くなる。ついでに教室の空気も悪くなった。
「ええから来いって言うてんやろ」
脅すように四人の先輩が私の周囲に集まり、身長差から四人共こちらを見上げてくる。理石は傍でオロオロと狼狽え、友子は我先にと教室の隅に移動している。知ってた、お前はそういう奴だよ。
「ですから無理です。お断りします。お帰りください。
用件があるならここでどうぞ」
「…チッ。アンタ、バレー部のマネになって調子乗っとんやないやろうな」
…………???バレー部の?マネ?誰の話?
「侑の推薦だか知らんけど、アンタみたいなブスが色目使うてんやないぞ」
あつむの、すいせん……あれ、もしかしてこれ私の話だったりする?
「聞いてんのか!?あ!?」
先輩の一人がバンッと机を強く叩く。
いやまず私がいつバレー部に入ったんだ?まだどの部活にも入部してないはずなんだけど。この人達勘違いしてない?
「私はバレー部のマネージャーになった覚えはありません」
「嘘が通ると思うてるん!?こっちは侑から直接聞いたんや!」
はあ…。なんかさ、こうやってヒートアップしてる人を見ると何故か冷静になってくよね。
あとあつむって誰だっけ。昨日聞いたような気がしたんだけど…アランって先輩のが印象強いし、興味なかったから記憶から消しちゃったわ。
「今後、平穏な学校生活を送りたいんならさっさとバレー部辞めえや」
ふむ、状況把握があまり出来ていないが、つまりこの先輩達は私に忠告をしに来たってことかな。バレー部を辞めなかったらイジメてやるぞって。
ふーん…甘いなあ。ショートケーキに砂糖ぶっかけたのより甘い。まあそんな聞いただけで胸焼けがしそうなもの食べたことないけど。
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