7話
夢小説設定
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「なまえ、次の任務に行くぞ!」
「はーい」
ここ最近の任務はずっとお師様と一緒だ。内容がたとえ鬼退治だったとしても、お師様が一緒にいるという時点で私にとってはご褒美みたいなものだ。
「なまえは汽車は初めてだったか?」
「汽車…鉄の塊が走るやつですよね。見るのも乗るのも初めてです!」
「なら初見は驚くだろう!鬼と対峙するまでは汽車を堪能してるといい」
そうしてやってきた駅。初めて見た汽車の感想は兎に角デカい。これが本当に走るの?自動車よりも速いって聞いてたけど、どうやって動くんだろう。
汽車に夢中になってお師様からはぐれそうになってしまい、手を引かれて座席へ向かう。その間も気になる箇所にフラフラと行きそうになる度にグイッと手を引かれる。なんかこれ犬の手綱みたいだな。あれ、私犬役?
座席に座ってからは窓から駅内を観察する。人多いなあ、都会だなあ。
いつの間にかお師様が大量の弁当を頼んでいたみたいで、バクバクと食べていたので私も一つもらって腹ごしらえをしておく。うん、美味しい。
私が食べ終わった後もお師様の食事は終わらない。相変わらずよく食べるな。あの量がお師様の体の一体どこに入ってるんだろうか。
「うまい!うまい!うまい!うまい!」
「お師様、美味しいのはわかりましたから感想は食後でいいんじゃないですか?」
「うまい!うまい!」
「…まあいっか」
「うまい!うまい!うまい!」
お師様を黙らせるのは諦めて、改めて汽車内を見渡していると通路に見知った三人組を見つけた。
「炭治郎と善逸に伊之助?」
「なまえちゃん!!やだ、これって運命…?」
善逸が私に駆け寄り手を握るとお師様がパシリと箸で善逸の手を叩き落とした。
「いっった!え、なに、こわい」
「うまい!」
「うまいってなに!?俺の手なんで叩いたの!?」
「うまい!うまい!」
善逸の反論は一切無視して延々とうまいしか言わないお師様に炭治郎が何とか話しかけようとしているが、お師様の答えは一向に変わらない。どうしよう、というふうにこちらを見てきた。
「あー…お師様の食事が終わるまで待ってた方がいいと思うよ」
その一言で三人はそれぞれ座席に着いた。私がお師様の斜め向かいに座っていたので、炭治郎がお師様の隣で禰豆子が入った木箱は私と炭治郎の足元に。善逸と伊之助は通路を挟んだ隣の席に座った。善逸は私の隣に座ろうとしていたが、お師様に再び箸で攻撃され向こう側に追いやられていた。
お師様が食べ終わるまでの間、善逸と伊之助にも私が炎柱の継子であることを説明したら善逸にはとても驚かれた。そして伊之助に関しては継子の意味を理解していなかったのでもう少し鬼殺隊について勉強した方がいいと思う。
炭治郎達がこの汽車に乗ったのはお師様に聞きたいことがあったからだそうだ。
しかしお師様はその疑問を間髪入れずに知らんと切り捨てた。いやお師様がそう言うなら知らないのだろうけど、もう少し考えてあげてもいいのに。
炭治郎がお師様の返しに狼狽えていると、逆にお師様から提案をした。
「俺の継子になるといい。面倒を見てやろう!」
「!? (頷いたら殺す頷いたら殺す頷いたら殺す!)」
「いや、その…遠慮します」
その後もお師様が呼吸や刀について炭治郎に説明している。お師様の面倒見がいいところは美点だが、継子が増えたら私といる時間が減るじゃないか。お師様の中で炭治郎も継子になるのが決定してそうで怖いんだけど!
汽車が動き出したことよりそっちの方が重大だ。ギリギリと歯軋りしながら恨みがましそうに炭治郎を睨んでいると、自分にその気はないという主張か炭治郎が慌てて首を横に振る。信じるぞ、信じるからな!?
炭治郎への敵対心を燃やしている間に車掌が切符を確認に来た。自分の切符を渡し切り込みを入れてもらうと不思議な感覚がして、意識が途切れた。
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