6話
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「お見舞いに来たよー」
お師様から許可が出たので蝶屋敷に三人のお見舞いにやって来ると、炭治郎しかいなかった。他二人は訓練に耐えかね逃げたそうだ。クソだな!
それで炭治郎は二人の分まで頑張って勝ち方を教えてあげようとしているらしい。良い子すぎて涙が出てきそう…。
「なまえは全集中の呼吸を四六時中やってたりするのか?」
「やってるよ?」
「やっぱりなまえは出来るんだな」
「うん、今もやってる」
「今も!?」
「お師様からは炎の呼吸の技よりも先に出来るよう訓練させられたから」
「そうなのか。もしかして瓢箪吹いたりした?」
「したねえ。二年くらい前のことだけど」
「…どのくらいの大きさ?」
「最後にそれをやった時は炭治郎の胸元くらい?」
「!? 頑張ろう…」
「うん?そっか、頑張れ」
頑張っている炭治郎には脱走した二人の分も合わせて饅頭をあげた。あれらにあげる甘味などない。
それにしても常中の訓練をしてるのか。最近お師様が任務で屋敷にいなくて鍛錬不足だし混ぜてもらえないかな。いやでも常中を習得する訓練なら邪魔になるかも。仕方ない、クソジジイと無理矢理稽古するか。
「なまえ!!!また俺の酒を水に変えよったな!!」
「ハッ、言っとくけど中身入れ替えたのそれで二瓶目だから。酒の味もわかんないなら水で十分でしょ!」
「貴様ァ…!」
ジジイが刀を抜くと同時に庭に飛び出る。私を追ってジジイも部屋から出てきた。
前に室内で喧嘩をして千寿郎にこっぴどく怒られてから気を付けるようにしている。あの時の千寿郎は怖かった…。
金属がぶつかり合う甲高い音と、火花が散る。
年中酔っ払ってるクソジジイでも元炎柱なだけあって強い。だけど私も千鳥足のオッサンに負けるほど弱くはない。
上段からの袈裟斬りを刀でいなし、空いた胴に膝蹴りを入れる。
「相変わらず足癖が、悪い!」
痛みでフラついていたが、間合いをとる前に刀の柄でこめかみを殴られた。
「うるせージジイ」
「そろそろ嫁の貰い手を探してもいい年頃だろうに、そんなことでは男の方から逃げていくぞ」
「結構ですゥ!余計なお世話なんだよ!」
「いつまで杏寿郎にベッタリとくっついているつもりだ?お前がいてはあれも結婚など出来んだろう」
「う、ぐ…お師様はまだいい人はいないし!」
「お前がいるせいでな」
「うっさいな!お小言ジジイが!」
鍔迫り合いになりながらもジジイの嫌味に噛み付く。
確かに、確かに!私がいたらいい人なんて出来ないかもしれないけど!でも継子がいたら引くような弱気な女はお師様に相応しくないし…お師様の相手ならドーンと器の大きい人じゃないとやっていけないし…。その辺が愛の見せ所じゃん。だから私は悪くないもん。…多分。
もごもごと心の中で言い訳がましく呟いていると、真剣を持っている時に他に意識をやるな!と刀の背で肩を叩かれる。
「いったいな!」
「油断する方が悪い」
「よし決めた、マジでぶっ潰す!」
再び剣戟が繰り広げられる。結局これはお師様が帰ってくる小一時間後まで続いた。
「父上はなまえにであれば稽古をつけてくれるのだな」
え、お師様何言ってんの。
「眉間の皺がすごいぞ!」
「いやいやお師様あれ稽古じゃないですから。ただの喧嘩ですよ?」
「君にはそう感じるか。俺には二人が仲が良いように見えるがな」
うっそだぁ…お師様ってば目が悪くなったんじゃない?私、お師様や千寿郎に酷く当たるあのジジイなんて嫌いだもん。
「まあ何にせよ、父上との稽古はなまえのためになるだろう!俺は任務続きであまり見てやれなかったからな!」
「私としてはお師様と一緒に任務に行きたかったんですけどね」
「うむ、そう思って次の任務は同行してもらう予定だ!」
「! 本当ですか!わ、準備、準備して来ます!」
「出発は明日だぞ!」
「なら部屋のこっそりお師様から少しずつ拝借してる蒐集品を隠してきます!」
「……うん?」
お師様と任務、お師様と任務!早く明日にならないかなぁ!
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