3話
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「なまえ。伝え忘れていたんだが、君とはすれ違いで何度か刀匠が日輪刀を持って訪ねて来ていたそうだ!」
まさかの。私の日輪刀来ないなーと思ってたらすれ違いだったのか。
まあ日輪刀が届く前にお師様の任務について行った私が悪いんだけどね!
「今日の昼頃来て欲しいと相手に伝えたからそろそろ来るだろう」
「じゃあついに私も自分の日輪刀を手に出来るんですね。お師様みたいに綺麗な赤に変わったら嬉しいなぁ」
ああ、楽しみでソワソワしてきた!
「兄上、なまえさん。お客様です」
千寿郎がそう呼びかける。もう来てくれたんだ。
教えてくれてありがとう、と千寿郎の頭を撫でると千寿郎は照れたようにはにかんだ。顔はお師様にすごく似てるんだけど千寿郎は繊細で儚い雰囲気を持ち、何より可愛い。禰豆子が妹代表なら千寿郎は弟代表だろう。
いつまでも千寿郎の頭を撫でているとお師様に後にするよう言われてしまった。千寿郎が可愛くてつい。
客間にいくとひょっとこの面をかぶった男の人がいた。…あの面の下がとても気になる。しかしお師様も千寿郎も動揺はせず、面を気にすることなく話を始めた。もしかしてこれが通常なの?ええ、うそォ…。
日輪刀が私の前に差し出された時も正直ひょっとこが気になって仕方なかったが、視界から外し何とか意識の外に追いやる。
小さく深呼吸をして心を落ち着ける。
手に持ち目の前に掲げると日輪刀が少しずつ色を変える。
深く鮮やかな赤に色付いたかと思いきや暗く変わり、また鮮明な赤へ。その変化は不規則で、ドクドクとまるで脈打つ鼓動のような。気味が悪い。もしかしたらこの日輪刀は私の中身の半分を見透かしているから、こんな中途半端に変色をし続けているのかもしれない。
だが気味が悪いと感じたのは私だけのようで、お師様と千寿郎は自分のことのように喜んでくれた。
「兄上と同じ赤色ですね。とても鮮やかで綺麗な赤です!」
「そうだな!さすがは俺の継子だ!」
お師様が私を高く抱き上げグルグルと回って喜びを表す。お師様、お師様、お客様の前ですけど。私まだ刀持ったままなんですけど。というか目が回る、酔う。嬉しいが危ないからおろして欲しい。
こんな時止めてくれる千寿郎はキラキラとした目で私と共にグルグル回る日輪刀を見ている。
この場で正常だったのは刀匠の男だけだったみたいだ。彼はヒャアと言いながら部屋の端に避難した。お前の判断は間違っていないがせめて静止の言葉をかけて欲しいんだが。
結局お師様の行動は目の回った私の手から日輪刀がすっぽ抜けて柱にぶっ刺さるまで止められることはなかった。
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