19話
夢小説設定
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「──うん、いいわね。完成よ。
最高に美しくて、最っ高に食欲そそられるじゃない!」
「…さいですか」
そっかー、食欲そそられちゃうのかー…。つまり私を着飾ってたのは食材を調理してた感じかぁ。
いいけどね、別に。何十着も着せられて、拒もうものなら無理矢理服を襦袢まで全て剥かれて、精神面はボロボロですけどね。
私はその間鬼をこの場所に留めておいたんだもん。鬼の勢いに負けたとかじゃ断じてないもん…!
………お師様ぁ。めっちゃこの鬼怖かったよぉ。
「ま、私は顔以外興味無いから体はお兄ちゃんにあげよっと」
「…お兄ちゃん?」
まさか仲間がいる?この鬼がここにいる間は地上から鬼の気配はしないと思ってたが、隠れているのだろうか。まずいな、早急に宇髄と連絡を取らないと。
「普段は鮮度を保つためにさっさと帯に入れちゃうんだけどせっかく着飾ったんだし、逃げられないようにしてれば飾ったままでも大丈夫よね」
直後、手足を拘束していた帯の締め付けが強まり、鈍い音が響いた。
「────ッッッ」
「人間って血を流しすぎると死んじゃうから切断はしないであげたわ。感謝しなさいよね」
……クソ痛え。治そうにもこの鬼の前じゃ無理だ。じわりと額に脂汗が浮く。苦痛に歪む顔を目の前の鬼は不快そうに見ている。お前風に言うなら美しくないってか?手足折られて平然と出来るわけないだろ。誰が感謝なんざするか。
私に抵抗の意思がないと判断したのかやっと鬼は地下から出て行った。気配も遠ざかっているから罠ということもないと思う。
それよりも現状をなんとかしないと。折れた手足は治せる。だけど、日輪刀がないと帯に取り込まれた人達を解放出来ない。一度ここから離脱するのも一つの手だけど、それがあの鬼に伝われば厄介だ。やっぱり宇髄が動くのを待つべきか。
でも、あの鬼。あの瞳。──上弦の、陸。
反応してしまわないように気をつけるのもギリギリだった。上弦の字を見た瞬間は殺気が漏れてしまうかと思った。
ここにいるのが上弦の参じゃなくて良かった。もしアイツだったら周りも気にせず襲いかかっただろうから。
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