14話
夢小説設定
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お師様の風邪は翌日には完治していた。
嘘やん、昏睡してたじゃん。お師様人間辞めかけてない?
そして私はお師様が目覚めたのを確認したと同時に任務に駆り出された。
いや確かに私が蝶屋敷に来たのはお師様の付き添いだったけどさァ!もう少し一緒に居させてくれてもいいじゃんか!
まあいい。即鬼ぶっ殺して、即帰ってくればいいわけだし?最短で終わらせてやらァ!
なんて考えていたのもはじめだけだった。
「か、え、れ、ねー!!!なんで!?私が何したっての!?一日に任務何件させる気だ!というか鬼大量発生しすぎだろ!死ね!!!」
そう一ヶ月前に蝶屋敷を発ってからというもの、任務任務任務。休みがない!
あのね、私普段は人と変わらないんだよ?不眠不休で動くのは鬼の力を使わないといけないわけ。数日程度なら構わないんだ。でもさ、正直言って毎日じゃん!
朝日から隠れようとする鬼を斬って、日中屋内に潜んでいる鬼を斬って、夜に活発化した鬼を斬って。いい加減病みそうなんですけど!
お師様…お師様に会いたい…。せめてお師様が普段身に付けている物を何かくれ…。
お師様不足で行き交う人が皆お師様に見えてきた…。こうなったらもう末期。これ以上酷くなるとマジでヤバイ。……会いに行くか。
お師様に会う為に指定された町に着いて一息入れる間もなく鬼を倒し、無理矢理時間を確保して蝶屋敷にやっとの思いで着いた。
中庭にいると聞いたので久しぶりのお師様に心を躍らせながら中庭へと向かうと、同期三人がお師様から稽古をつけてもらっていた。…よし、アイツら殺そ。
親の仇を見るような目でギラギラと睨み付けていると、伊之助がこちらの視線に気付いた。目が合うと伊之助の肩がビクリと跳ねる。いつもの強気はどうしたよ、ああん?ちなみに私は今猛烈に牡丹鍋が食べたいけどなァ!
音と匂いで気付いたのか善逸と炭治郎も私を認識して、最後にお師様と目が合う。まあ奴らは後で始末するとして、一ヵ月ぶりのお師様の方が重要だ。
「お師さ、「カァーカァー!西ニ向カエ、西ニ向カエ」
……ハハッ、殺す。
「早クシロ。今スグダ」
お師様に一礼し、くるりと方向転換をして飛び立った鎹鴉を全速力で追う。以前より追う速度が速くなった私にクソ鳥は慌てて高度を上げた。今日という今日は許さん。
ダンッと地面を強く踏み込んで跳び上がり、近くの家の屋根瓦を足場にさらに上空へ。手を伸ばし掴もうとしたが残念ながらヤツの羽に軽くかすっただけだ。ふふふ、精々頑張って逃げろ。捕まったその時がお前の最後だからな。
そう、私は優先順位を間違えていた。どうして今まで気付かなかったのか不思議なくらいだ。
あの鴉だ。鎹鴉さえいなければ任務を言い渡されることもなく、お師様との時間を邪魔されることもない。
こんな簡単なことがわからなかったなんて、私ったら間抜けだなぁ。あはは、あはははは。はははははははは。
結局この日、クソ鳥を捕らえることは出来なかったが、いつか必ず抹殺してやると強く心に誓った。
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