13話
夢小説設定
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現在お師様を医務室に運んでいるところだ。隠の人が先導し、私がお師様を俵担ぎにしている。隠の人は抱えるのを代わると申し出てくれたが、お師様を抱えて運ぶなんて貴重な体験を譲るわけにはいかないので、丁重にお断りしておいた。
はじめはお師様に負担がいかないようにと、背中と膝裏を手で支えて抱き上げていたのだが、うっすら意識のあったお師様から拒否されたのでこの担ぎ方になった。今はもう完全に脱力して手足はダランと垂れ下がっている。
ただ言わせてもらうならこの運び方は私のこと本意ではない。子供のように抱えるのも、小脇に抱えるのも、担架で運ぶのすら嫌だと拒否された故にこうなってしまっただけだ。なので今すれ違った少女、別に死体を運んでるとかじゃないから勘違いしないでね!?
「蟲柱が風邪と判断したなら暫く寝かせておいて目が覚めたら食事と薬を用意するんで、また声を掛けてくだい。ベッドは空いてるとこならどこを使っても大丈夫です」
「はい。ありがとうございました」
入口で隠と別れ、医務室の中に入ると先程走り去った伊之助と久々に見る炭治郎と善逸、同期三人組の顔がそこにあった。
「イィヤァァァアアアア!!!本当にいる!女の子でもお化けは怖いよォ!」
目が合った瞬間善逸に叫ばれた。だから誰がお化けだ。
「だから言っただろうが!やっぱ化けて出やがったんだ!」
「落ち着け二人とも!なまえも煉獄さんも匂いがあるから幽霊じゃない」
「匂いのある幽霊かもしれないだろ!?二人とも鼓動の音だってしてるんだから匂いくらいあるよ!」
いやそれはもう気づけよ。あと声をもう少し抑えて欲しい。お師様がうんうん唸りだしたから。
「ねえ」
「キャァァ!喋った!でも変わらず可愛い!幽霊じゃなかったら結婚して欲しい!」
「幽霊じゃないけど、結婚はしない。あともう少し静かにしろ。お師様、体調が悪いんだよ」
一番近くにいた善逸に近付き頭をスパンと叩くと、キョトンとした顔で一瞬止まって勢いよく抱き着いてきた。
中々の衝撃に身体が揺れ、お師様のお腹に肩がグリッとくい込んだ。ぐ、とくぐもった声が聞こえたけど大丈夫だろうか。
「うそ!?本当に生きてる!?なまえちゃんも煉獄さんも!?」
「なんだと!?」
「だからそう言ってるだろ!」
さっきまでの幽霊推しはなんだったのか、ベタベタと三人が私達に触れて存在を確かめる。
「生きてる…生きてるよォ…!」
「なんで生きてんだよ!生きてんなら生きてるって最初から言えよ!!」
「なまえは、最初から…言ってた、ぞ…」
なんか皆泣き出した。エッ、これどうしろと。
というか誰かなんで私達が死んだことになってるのか説明して欲しい。
三人揃って大号泣だ。
そして伊之助、盛大にお師様に鼻水をつけるな。
炭治郎は手拭い貸してあげるからちょっと離れて欲しい。私の着物の前がびしょびしょだから。
善逸に至っては床に水溜まり出来てる。そしてしがみつかれている私の左腕の袖はもう服の意味をなしてない。あっおい、お前も鼻水つけやがったな。
誰か助けて。
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