9話
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「気分はどうだ、クソガキ」
「宇髄は人の名前も覚えられないの?私にはお師様がつけてくれたなまえって名前があるんだけど」
「会う度に嫌味を言わねぇと気がすまないのかよ」
「そういうわけでもないけど、宇髄って腹立つ顔してるよね」
「んなこと産まれて初めて言われたわ。お前は、この一ヶ月でブスになったな」
「ええ…女性に向かって失礼すぎない?監視付きでも湯浴みはちゃんとしてるんだけど」
「そういうのじゃねぇよ。クマが酷い。寝てねぇんだろ」
「寝たら血鬼術が解けるからね。それに私は鬼だから寝なくても死にはしないよ。誰かと話してる時は眠気も覚めるし」
「で、話してない時は自分を食って痛みで目を覚ましてるって?」
「やだなぁ、そんなんじゃないよ。ただの食事。
私は禰豆子とは違うから睡眠で力はたまらない。それにまず寝れないし。だから人の血肉を食べないと血鬼術を維持出来ないだけ。半分が人だと自給自足が出来て楽だよねぇ。
にしても宇髄はよくここに来るよね。心配しなくてもお師様を死なせたりなんかしないよ。それとも暇なの?」
「うるせぇ」
そう、宇髄は術が安定して話せるようになってから一ヶ月の間、暇を見つけては様子を見に来てくれている。多少ウザイ時もあるが話し相手をしてくれるのはありがたい。
本音を言えば眠くて仕方ない。飲まず食わずでいたことはあっても寝ずに過ごしたことはなかったからめちゃくちゃ辛い。
誰もいない時はさっき言ったように自身を貪り食っているか、水桶を用意してもらっていて眠気が来たら頭から冷水を被ることでやりすごしている。
そして私の処遇だが、お師様が目覚めるまでは一旦保留ということになっている。まあ十中八九処刑だろう。私は禰豆子のように我慢出来ず自分自身を食べているし。
鬼と人の子である自分の出生や体質、術の詳細も話したことだし、相手が柱であれば逃げるのも不可能だろう。
血鬼術に関しては初めて使ったのだが何故かその作用を知っていた。しかしすこぶる使い勝手が悪い。
発動時のみ相手と自分の一部を交換する術。本来であれば自分の傷を相手に押し付ける術だ。この術は私が眠るかお師様が起きるかで解除される。
今回の場合は無理矢理術式を反転させて内臓の傷を交換した。だから私の腹に穴があき、お師様のは塞がった。だか実際に傷が消えたわけではなく、お師様がその傷を治すまでの間一時的に私が傷を請け負っているにすぎない。
人間の体は内臓がなければ死んでしまうが、鬼ならば多少問題はない。交換したのは傷のみなので回復速度はお師様のものだが、私の体内にあるためか多少は早くなっている。
この一ヶ月お師様は私とは逆に眠ったままだから、出来るだけ早く回復出来ればとは思っている。人間が長い間眠ったままというのはあまり良くないだろうから。
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