32話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
やっと戦いが終わったと思ったら、なんか紅炎兄様とシンドバッド王の間でマグノシュタットやらマギやらの取り合いが勃発してる。
「ふむ、では俺も──」
兄様が話すのに気をやっている今がチャンスだ。むしろ逃げるならこの隙しかない。
紅炎兄様とは決して目を合わせたらいけない。兄様の関心がマギに向いているうちに……。
視線は合わせないが、背中は見せずゆっくりと後ずさっていると、ぽすりと温かい何かにぶつかった。まずい、兄様ばかりに気をやって後ろを気にしてなかった。
すぐに離れようとしたが、後ろから軽く抱き締めるように腹にごつい手が回る。…おい待て、このウロコって…。
「──ぜひ彼女が欲しいかな」
『えっっっ!!?』
最悪な状況をヒシヒシと感じながら、首だけでチラリと後ろを振り返れば普通の女なら骨抜きにされそうなほどの甘い笑顔を浮かべたシンドバッド王が。勘弁してくれ。
「所望しているところ悪いが、それは俺の妹だ」
はい、兄様と目が合っちゃったねー!何してくれんだこのロリコン野郎が。
「妹と言えども行動を縛ることないだろう?
紅胤姫さえ良ければまたシンドリアに来てくれないか」
お前らのマウンティングに私を巻き込まないでくれますぅ!?
あとお前はいい加減手を放せや!いつまでうら若き乙女の腰を触ってるつもりだ。金とるぞ。
「いえ、あのですね、」
「紅胤」
兄様からまるで咎めるかのように名前を呼ばれる。いやこれ私何も悪くなくない!?
頼むから誰か助けろ…。
ぐるりと全体を見渡せばこちらを不憫そうに見ているアリババと目が合った。
「(タスケロ)」
「(え、ええぇぇぇ…)」
「(一緒に極大魔法やった仲だろ。更にその後お前のサポートだってしただろうが。この際どっちかでいい。どっちでもいいから片方どうにかしてくれ)」
アイコンタクトで必死に救援要請をしていると、腹を括ったのかアリババがまずシンドバッド王を見て、次に紅炎兄様を見る。
「(………むり!)」
「(このヘタレ野郎がァ!!)」
結構重要ポジですみたいな顔してんじゃないわよ役立たず!ただの使えない雑魚じゃない!なに期待させといて断ってんのよ!
というかさ、私、今回の戦いで頑張ってたよね?なのにこの仕打ちはなくない!?
1/4ページ