29話
夢小説設定
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「ざっけんな、こんのっ、雑魚どもが!」
斬って斬って斬って燃やして燃やして燃やして。
嫌気が差すほどに、うじゃうじゃと黒いジンが沸いてくる。
さっき紅炎兄様から応援要請の通信が入った。他の兄様や姉様はもう移動した頃合いかしら。
紅覇兄様が黒いジンと相対した後には出陣したってのに、際限のない黒いジンに足止めされ、まだ合流出来ないでいる。こんなことなら紅明兄様に頼んで連れて行ってもらえばよかったわ。
しかし紅炎兄様が応援を求めるくらいだ。あちらにも相当な数のジンが現れているのだろう。早く合流したいのに…!ああもうキリがない!!
ここままじゃジリ貧なのは目に見えてる。出来ればギリギリまで使いたくはなかったのだけれど、後ろにいる私の下僕まで削られてしまっては困るし、仕方ないわね。
ベリトの魔装を解き生身へと戻った。
周囲を埋める幾多の黒いジン。その一体の足が頭上へと迫ってくる。
「―――ミシャンドラ、食べていいわ」
その言葉を合図に地面が黒に染まりそこからジンの数より多く、数え切れないほどの無数の手が現れ、ジンへとその禍々しい掌を伸ばす。
捕まえた黒いジンを逃がさないように握り潰し、絡みつき、地の奥の更に深淵――ミシャンドラの腹の中に引き摺り込む。
ミシャンドラと感覚が繋がり、自分の身体に他人の魔力が入ってくるのを感じた。
口いっぱいに頬張って、むしゃむしゃと咀嚼して、真っ黒なルフを腸に流し込む。次を求めてる舌舐めずり。その繰り返し。
食べても食べても足りなくて。もっともっともっと愛を感じたくて。愛したくて。どんなものだって愛するわ。どんな形でも私は愛してる。人を愛して。ルフを愛して。世界を愛して。王を愛して。愛してる、愛してる、愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる。愛してるから愛し過ぎてるから食べたくて、身体の全てで愛を感じたくて。愛してるから食べるのよ?愛してないものなんて食べたくないわ。でも私は全てを愛してる。だから全て食べて食べて食べて。愛してる愛してる、愛して、愛してる愛してる愛してる愛してる愛して愛してる、愛愛してる、愛愛愛愛して愛してる愛してる、愛愛愛してる愛して愛愛愛愛愛愛あい愛愛愛あいあい愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛あい愛愛愛愛愛愛愛愛アイ愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛―――――
「うるっさいわね!」
黒いジンと一緒に私まで
だからコイツは極力使いたくないのよ。何でもかんでも食べて愛して、私にまでそれを押し付けてくるんだから。
普段の永遠と言連ねた愛の言葉なら受け入れ聞き流せるけど、実際にミシャンドラを使うとその声が大音量になり喧しいことこの上ない。
でもおかげでこの辺りは一掃出来たわ。出遅れてしまった分、早く兄様達の所へ向かわなければ。
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