28話
夢小説設定
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紅覇兄様が行軍を開始してからマグノシュタットに着くまでに数日はかかる。
そしてレーム帝国も同じくしてマグノシュタットへ向かっていると報告が上がった。距離と時間から考えてレームの方が1日か2日ほど早く着く。おそらくもう接触し戦いが始まったはずだ。
マグノシュタットは簡単におとせる国ではないが、あそこはファナリスを飼っている上に、最高権力者にはマギが存在している。
戦況は、読めないわね。
「姫様、燕青より通信が」
「すぐに繋いで」
紅炎兄様の軍に斥候として混じらせた燕青からの報告。良い報せであることを期待したいところだけど、そう都合良くことが運ぶとは思っていない。
«―――
「なっ、」
まさかアル・サーメンの介入か!
多少考慮はしていたものの、ここまで直接的に関わってくるなんて思っていなかった。確かにアル・サーメンに魔道士は多くいる。マグノシュタットに潜り込むなんて造作もない。
戦場であれば誰が堕転しても疑問はなく、むしろ絶好の機会だったはずだ。
だが何故今このタイミングで?
態々戦争に合わせて動いたのか?いやそれにしては準備が早すぎる。
元からマグノシュタットに目を付けていた?確かに条件としてはアル・サーメンに都合が良いものが揃っている。
黒いジンの大量発生。これらは本来であれば莫大な魔力を消費する。報告通り無数に沸いているというならば10や100人程度じゃ賄えない。
だがマグノシュタットが情報通りの国であれば、あそこは魔道士の為の国。地下の魔力を搾取されている大量の非魔道士。彼らの
前もって準備はしていたはず。レームとマグノシュタットの戦いの報告は聞けていないが、もしその時黒いジンが現れたのなら今頃アル・サーメンが騒がしくなっているに決まってる。それがないということはジンが現れたのは今しがた。
マタル・モガメットの考え方が変わったか、レームに戦力を削られすぎたか。どちらにせよ、ジンの大量発生は煌帝国にとって酷く不利な状況を与える。
紅炎兄様の軍が合流したとしてもジンと対等に戦えるのは金属器使いか眷属くらい。際限の見えない相手ではジリ貧だ。
これを打破する方法を考えなければ。
いや、というよりも、黒いジン。堕転。アル・サーメン。
つまりこれは玉艶の思惑に沿っている…?今回の件があの女の策略だと考えて、じゃあ次はどう動く?
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