27話
夢小説設定
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「はい?紅炎兄様、もう一度お聞きしても?」
「お前はマグノシュタットには進軍せず自国に留まれ」
再び聞き直しても紅炎兄様の言葉は変わらなかった。
バカなの?アホなの?能無しなの?
マグノシュタットをとるなら戦力は多くて然るべきでしょ。自国の守りなんざ玉艶がトップにいる時点で勝手にアル・サーメンがやってくれるんだから。
というかどこかが反乱を起こす兆しがあるなんて情報は私の耳役には入ってきてない。なのに金属器使いを減らすなんてどういう意図よ。
それどころかレームもマグノシュタットに目をつけてるって噂すらあったんだから、逆に徴兵をして戦力は増やすべきだろ。
「異論は聞くつもりはない。いいな、紅胤」
「…仰せの通りに」
貼り付けた笑顔とは裏腹、心中は罵倒の嵐だっての。負けちまえコケシ野郎。
紅炎兄様に止められたからと自室で大人しくしてる、なんてことは勿論ない。
「張遼、煌帝国の行軍よりも早くマグノシュタットに赴き私の手足を回収して来て。戦地に置いておくだなんて無駄な真似してたまるかっての。
燕順はレームの耳役と交信を。あちらの近況を把握したいわ。
燕青は、紅覇兄様は先鋒だろうし、紅炎兄様か紅明兄様の軍に混じって。そこから戦況の報告を。戦う必要はないから合図したら帰ってきなさい」
従者達、一人一人に指示を出す。私はマグノシュタットまでの行程にある国々の情報を集めないと。あちらから先に攻めてくることはないでしょうけど、念の為罠がないかを調べておかないと。
あと一応、皇宮内にも目を光らせておくか。
「カーティス。いるでしょ」
「ハイハイ、なんスか姫様」
この男はアル・サーメンから引き抜いた一人だ。何故か普段は天井裏などに潜んでいるので呼べば大体出てくる。一番近くにいて便利だから伝達役をよく頼む相手でもある。
「アル・サーメンに残したままにしてるのはあと何人?」
「十余名じゃなかったスか?いやこの前バレて数人こっちに移ったんだっけな」
「まあそれだけいればいいわ。それらと連携しながらアル・サーメンの動きに注視しておいて。もしかするとマグノシュタットと関わっている可能性がある」
「リョーカイしましたー」
内心どれだけ一度負けちゃえば大人しくなるんだろうなぁと思っていたとしても、煌帝国の敗北なんてあっていいわけがない。
今までなら放っときゃ勝手に勝つだろうなって国ばかりだったけど、今回は相手が相手だ。例え事前に兄様から釘を刺されているとしてもバレさえしなければ問題なし!
さて、自己満足な戦争を始めましょう。
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