26話
夢小説設定
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―――平和だ。
ここ数ヶ月、遠征に赴くこともなく、臣下を暴走しないよう抑え、いつも通り判決を下す日々が続いている。
今までなら
諍い事と言えばせいぜい玉艶と話す機会が何度かあった程度だ。
―――――
〜廊下での遭遇にて〜
「あら、まだ皇宮にいたのですね。自らの失態を恥じ、とっくに出て行ってるものと思ってましたよ」
「やっだぁ、おば様ってばそれはこっちのセリフですわ。
反対意見を全部無視して力ずくで皇帝の座をぶんどったクセに、何一つ国の益になる施行をなさらないから玉座は既に空席になったんだとばかり。まさかまだ皇太后だなんて大それた地位にいるとは。
その厚顔無恥な行い、私にはとても真似出来ませんわぁ」
「ふふふ」
「ふふふふふっ」
―――
〜皇宮主催の茶会にて〜
パシャッ
「あっ、ごめんなさいおば様!手が滑ってお茶が裾にかかってしまいました。着替えられた方がいいかもしれませんね。本当にごめんなさい」
「…構いませんよ。私も、」
バシャッ
「手が滑ってしまいましたから。
全身が濡れてはこれ以上茶会の参加は難しそうですね。下がってもいいのよ?」
「…ええ、そうします。
おば様も一度抜けて顔を洗われては?おっと、その汚れは化粧で隠せなかったシミだから洗ったところで落ちないわね。ああでも近付かなければわからないので大丈夫ですよ」
「そう。気遣い感謝します」
「いえいえ、どういたしまして」
―――
〜執務室にて〜
「本日はどのようなご用件ですか?おば様」
「貴女の判決に不正がないか確かめに来たんですよ」
「んん?それって皇帝の仕事じゃありませんよぉ?
私は欠片もおば様が皇太后だと認めてませんが、その席にいる以上仕事くらいちゃんとこなしてくださいよ。余計なことばかりするから通常業務もままならないんだと思いますわ」
「…留意しておきましょう。
実は貴女が賄賂をもらって罪状を軽くしていたと匿名で報告があがったので至急確認に来たのですよ。該当の罪人はこちらで罰を改めたので安心してください」
「あの改竄を入れてきたのおば様でしたの?勝手なことをされては困ります。まあすぐに元に戻しましたけど。
私が買収された証拠はあるんですか?それもないのに密告をホイホイ信じてよっぽどバカ、失礼。素直なんですねぇ」
「証拠なら彼らが」
「えぇ、その後ろの膿共ですかぁ?そいつらじゃ証言にはなりませんよ。誰も彼もが不正不正のオンパレード。いつ裁いてやろうかと思ってましたが、おば様の腰巾着してるならいつか排する時にまとめて出来るから楽ですね。
にしてもドデカい膿ばかりベタベタくっつけて気持ち悪くないんですか?まあ私としては感謝ばかりですので、ありがとうございまーす」
「それは反逆の意思ありと取りますが構いませんね?」
「やだー可能性の話ですよぉ。おば様ってば短気すぎぃ。お年のせいですかね?皇太后たるもの寛大な心でドーンと構えてもらわないとぉ。
ってことで、私の仕事には一切口出ししないでくださいね?大した知識もなく荒らされたら邪、魔、ですので」
「うふふ、そうね。疑わしい報告がなければ私も困らないんですけどね。火のないところに煙は立たないと言いますから」
「あは、おば様が飼ってる膿なら火なんかなくても煙を立たせますよ。優秀で良かったですねえ?」
「…今回のことは改めて精査いたします」
「はーい。お好きにどーぞー。
じゃあ用件が以上ならさっさとお帰りくださいな。目障りで仕事が進みませんし?もう二度とこの部屋に入って来ないことを祈ってますわ」
―――――
……まあ比較的平和、のはずだ。全て口喧嘩の範疇だしドンパチしてないからまだ大丈夫!
少し物足りないけど、この日常が続けば何も問題がないのに。
「姫様!紅覇皇子がマグノシュタットへ進軍を開始するそうです!」
一瞬で噛み締めていた平和が崩れ去ったじゃねーか。兄様達も国が荒れてんだから大人しくしといてくれればいいのに。
はあ、これからまた騒がしくなるなあ…。
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